beachmollusc ひむかのハマグリ


海辺の浅瀬は水産動物のこども達のゆりかごです
by beachmollusc
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海辺の自然を取り戻そう
 自然の恵みを後世に残すためには、その生態と環境を深く、よく知ることが基本です。

 海岸の浅瀬、干潟や砂浜は資源生物のゆりかごです。
しかし、それにおかまいなしに埋立てや海岸構造物の建設、水質汚染も加わって、日本中の水辺、海辺の環境は撹乱され、破壊されてしまいました。その結果、ハマグリなど干潟の動植物の多くが絶滅危惧種となっています。

 このブログでは、主に砂浜環境の保全を念頭において、日本各地の山、川、海の姿を調べて見てまわったこと、
そして2006年5月に移住した日向市の海辺と里山の様子や生き物などを紹介します。

このブログにリンクを張ることはご自由にどうぞ。

    - 自己紹介 -

大学院博士課程修了後7年間の海外での研究と28年余り大学教員をしていました。

海の無脊椎動物(貝、ヒトデ、サンゴ、クラゲなど)が専門、自称の学位は Doctor of
Underwater Marine Biology
(DUMB:バカセ)

楽観的な悲観論者または悲観的な楽観論者:生態的に無理をしている人類の滅亡は近いだろうが、それも自然の摂理じゃないのかな

せっかちな慎重派:ゆっくり
見極めて急いで集中的に
お仕事します

好きなもの:日本蕎麦が一番、パスタ・スパゲッティ、うどんもよし、つまりメンクイです

嫌いなもの:人混み、投棄ゴミ、マスゴミ、脳衰官僚

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オランダ国境を越えてドイツに鹿が口蹄疫を広げたか

2001年にイギリスで始まった口蹄疫(2000年の日本を含むアジアと同じO血清型、アジアからの汚染された餌が感染源として疑われた)はヨーロッパ大陸に飛び火し、フランス経由でオランダに伝わり、そこでは防疫対策としてワクチン接種を行った。下の記事に、その経緯が簡略に記されている。

FMD hits Netherlands.(foot-and-mouth disease)
Agra Europe| March 23, 2001
http://www.accessmylibrary.com/article-1G1-73001577/fmd-hits-netherlands-foot.html
Outbreaks of foot-and-mouth disease (FMD) were confirmed
on three farms in the Netherlands on March 21, and agriculture
minister Laurens Jan Brinkhorst said he would seek permission
from the EU to carry out emergency vaccination in the areas
surrounding the farms.

The cases were found in the villages of Oene, Olst and Welsum,
about 50 kilometres from the German border. The infection may
have been picked up when some cattle, imported from Ireland,
came into contact with infected animals from the UK in Mayenne
in France (where an outbreak of FMD was confirmed last week),
while in transit to the Netherlands.
  

(後略)

上の報道記事のように、ドイツ国境から50キロ離れていて、国境を越えて家畜に感染が広がることはなかった。しかし、ドイツではオランダで感染した鹿が国境を越えてやってきているかもしれない懸念が残っていたので念のためドイツ国内の国境周辺と対照地域(遠く離れている場所)で鹿の集団が口蹄疫に感染した履歴を抗体として保持しているかどうか調査が行われた。その報告が下のファイルに記されている。

A SEROLOGICAL SURVEY FOR ANTIBODIES AGAINST FOOT-AND-MOUTH
DISEASE VIRUS (FMDV) IN FREE-RANGING ROE DEER (CAPREOLUS
CAPREOLUS) FROM SELECTED AREAS OF GERMANY
Mouchantat S, Haas B, Lutz W, Pohlmeyer K, Frölich K
Verh.ber. Erkrg. Zootiere (2003) 41, 141-144
http://www.izw-berlin.de/de/forschung/fg3/themen/FMD.pdf

In the present study, we assume that during the FMD outbreak in the
Netherlands in 2001 (first case 21/03/01 in Olst/Oene; last case
22/04/01 in Wijhe/Oene) (OIE, 2001) FMDV-infection might have been
transmitted to free-ranging roe deer in German regions near to the
border of the Netherlands. Our objective was to determine whether
seropositive reactors against FMDV occur in free-ranging roe deer in
selected hunting grounds from Germany. Our investigation areas
were located within an approx. 20 km “cordon” along the border of
the Netherlands in the two federal states of Lower Saxony and North-
Rhine Westphalia (Fig. 2). In addition, selected hunting grounds in
Schleswig-Holstein were used as control areas.


(中略、検査方法とELISAの技術についての説明) 以下に調査結果が述べられている。

Until January 2003, two of 111 samples tested were positive for antibodies
against FMDV by ELISA. However, these results could not be confirmed by
VNT. One hundred and nine of 111 samples were negative. The percentage
of animals giving false-positive results in the LPBE varies within the
population studied. Particularly, false-positive reactors can occur at the rate
of 4 % in normal, nonvaccinated cattle and can be as high as 18 % in those
which are stressed (Mackay et al., 2001). 

In conclusion, our preliminary results may indicate that FMDV has not been
transmitted to free-ranging roe deer in our investigation areas during the
FMD outbreak in 2001.


2003年1月までに全部で111検体について検査した結果、109は陰性で2つに口蹄疫の陽性反応が出たが、いずれもVNT(virus neutralization test) では確認できなかった。

ELISA検査による偽陽性の出現率を考慮し、この予備調査の結果からは、2001年の口蹄疫はドイツの野生鹿には広がっていないだろうという判断が得られた。

以上の報告があるように、先進国ではきっちりと調査している。日本で鹿とイノシシの感染の問題がまともに取り上げられていないことは、科学・合理的な思考が行政に備わっていない証拠だろう。
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by beachmollusc | 2010-06-29 13:17 | 口蹄疫
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