beachmollusc ひむかのハマグリ


海辺の浅瀬は水産動物のこども達のゆりかごです
by beachmollusc
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海辺の自然を取り戻そう
 自然の恵みを後世に残すためには、その生態と環境を深く、よく知ることが基本です。

 海岸の浅瀬、干潟や砂浜は資源生物のゆりかごです。
しかし、それにおかまいなしに埋立てや海岸構造物の建設、水質汚染も加わって、日本中の水辺、海辺の環境は撹乱され、破壊されてしまいました。その結果、ハマグリなど干潟の動植物の多くが絶滅危惧種となっています。

 このブログでは、主に砂浜環境の保全を念頭において、日本各地の山、川、海の姿を調べて見てまわったこと、
そして2006年5月に移住した日向市の海辺と里山の様子や生き物などを紹介します。

このブログにリンクを張ることはご自由にどうぞ。

    - 自己紹介 -

大学院博士課程修了後7年間の海外での研究と28年余り大学教員をしていました。

海の無脊椎動物(貝、ヒトデ、サンゴ、クラゲなど)が専門、自称の学位は Doctor of
Underwater Marine Biology
(DUMB:バカセ)

楽観的な悲観論者または悲観的な楽観論者:生態的に無理をしている人類の滅亡は近いだろうが、それも自然の摂理じゃないのかな

せっかちな慎重派:ゆっくり
見極めて急いで集中的に
お仕事します

好きなもの:日本蕎麦が一番、パスタ・スパゲッティ、うどんもよし、つまりメンクイです

嫌いなもの:人混み、投棄ゴミ、マスゴミ、脳衰官僚

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カテゴリ:ホタル( 79 )


ホタルかごつくり

口蹄疫勃発で延期していた「北川やっちみろ会のホタル博士育成講座」の本年度最終回としてホタルかごつくりの講習会が9月4日、北川の「ホタルの館」で実施されました。

講師の皆さんは北川の家田(えだ)地区のベテラングループです。
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皆さん80歳前後だそうで、生徒が質問するときは大声でとの注文がありました。

ケーブルテレビの取材チームが来ています。
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今回のホタルかごつくり講習については火曜日に放映だそうです。

籠の材料は、継ぎ足せるように先端を斜めに切った特性のムギワラが用意されています。
かごの底辺を四角形、または六角形にするためのストローの支えがあります。
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ベテランコーチが手ほどきしながら、グループに分かれて作業しました。
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北川やっちみろ会の早瀬会長が講習生を激励しています。
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親子のふれあいが進んでいますが、どちらかといえば子どもより親の方が熱心でした。
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門川高校の女子生徒は学校行事とぶつかって来れませんでしたが、延岡の男子高校生が頑張っています。
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練習でミニサイズのかごを作った受講生もいます。
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1時間ほどかかって、受講生の作品ができあがりました。
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事務局の竹林さんが「ホタル博士認定証書を用意しています。
昨年度は16名、今年度は24名、合計40名の北川ホタル博士が誕生しました。
今後は博士達の主体的な取り組みでホタルの町北川を盛り立てる計画です。
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ベテランの作品の前に生徒達の作品を並べてみました。
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by beachmollusc | 2010-09-05 09:42 | ホタル

北川ホタル博士育成講座 第4回

口蹄疫の勃発で「北川やっちみろ会」主催のホタル博士育成講座を延期していました。
終息宣言に合わせたわけではありませんが、講座を再開するので今回の話のアウトラインです。

横須賀市の博物館は、大学院生の時に、三浦三崎の臨海実験所暮らしの合間に、発光生物の大御所の羽根田弥太館長(当時)を表敬訪問したり、天神島臨海自然教育園でタコノマクラとスカシカシパンの集団を潜水調査した結果を博物館報告で出したご縁があります。

下関市の豊田ホタルの里では2006年全国ホタル研究大会に参加しました。
http://beachmollu.exblog.jp/3659519

明日の午後、受講生の皆さんに差し上げるメモ原稿です:

ホタルの里づくり事例紹介 2010年8月28日(土) ホタルの宿にて

ゲンジボタルは関東地方の各県のレッドリスト(絶滅危惧種)に含まれている:
  茨城県(危急種), 栃木県(要注目), 群馬県(絶滅危惧Ⅱ類),
  埼玉県(絶滅危惧Ⅱ類), 千葉県(重要保護生物), 東京都(Aランク)

神奈川県でゲンジボタルが上のリストに含まれていない理由は、ホタルの保全活動が盛んで、横須賀市の博物館(特に、大場信義博士)がその活動を長年支えてきたからである。

馬堀自然教育園 (神奈川県、横須賀市) 
三浦半島の東京湾に面した山林で、面積は約3.8 ha(約1万坪)で、小原台台地、観音崎公園につながる緑地となっており、走水・観音崎地区を含めた自然観察ルートとしても利用できます。
http://www.museum.yokosuka.kanagawa.jp/mabori/frame_mabori.html
 
だれでもできるホタル復活大作戦―ぼくらの町にホタルがもどってきた
大場信義 (著)  199頁 合同出版 (2004) 
学校と子どもたち、地域住民と行政の協働型で行われている「ホタル復活」実践の現場から、長年の保全・復活活動の中で会得したコツ、ポイントを紹介。

豊田ホタルの里ミュージアム (山口県下関市) 
http://www.hotaru-museum.jp/

2006年に新装オープンした博物館、開館を記念して「第39回全国ホタル研究大会」が開催された。
主催者が作成したDVD資料「豊田のホタルと歴史」を紹介する。
(ミュージアム・サイト内に詳しい記述がある)

大分発のホタル情報 
http://www.coara.or.jp/~ynakamra/index.html
ゲンジボタルの生態と飼育を写真入りでとても詳しく、分かりやすく紹介。
 ● ホタルのからだ探検: 成虫ホタルの複眼、くち、産卵管、発光器など拡大して観察
 ● ホタルの生態と観賞: ホタル観賞の時期・時間帯、ゲンジボタルの生態・生活史等
 ● ホタルの産卵・孵化: 親ホタルを採集して、容器の中で産卵、幼虫を孵化させます
 ● ホタル幼虫の生態: 水中でカワニナ等をえさとして、幼虫は大きく成長します
 ● さなぎから成虫へ: 水中生活後、上陸して土まゆの中でさなぎに変態・成虫へ
 ● 幼虫のえさ・カワニナ: ホタルのえさとなるカワニナの生態や稚貝についての紹介
 ● ホタルの殖やし方: 容器とミズゴケで種ボタル→産卵→幼虫孵化→放流の方法
 ● ホタルの飼育: ホタル幼虫を、家庭で、容器中で人工飼育する方法
 ● ホタルの飼育(小規模): 飼育容器を使って室内で小規模人工飼育ができます
 ● ホタルの動画映像
大分県ホタルの里58選・・大分県内の58市町村に少なくとも1市町村1箇所以上になるようにしようとの願いから。(1998年ホタルサミット開催を期に、大分県ホタル連絡協議会が提案)
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by beachmollusc | 2010-08-27 19:58 | ホタル

ヘイケボタルの幼虫

室内で放置飼育中のヘイケボタル幼虫の取り上げをして状況をチェックしました。

20リットルの閉鎖循環底面ろ過システムであり、餌はカワニナを中心にサカマキガイやいしまきがいなどをテキトーに放り込んでおいたものです。小さいときに小さい餌を与えるのが飼育のコツですが、今回はあまり気にしないでどうなるか試してみたものです。

結果として、昨年6月末の2000個体弱の孵化幼虫からの生存率が1割程度で、成長が超バラバラとなりました。
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もっとも大きい奴は多分終令幼虫でしょう。ゲンジボタルの幼虫に負けないほどになっていて、体長約3センチです。1センチ未満の小さいのはまだ2令かもしれません。

ほぼ同時に生まれて(母親は複数で数十個体)同じ環境条件で飼育した結果です。今年上陸して羽化まで行くのは一部で、多くはまた来年までとなるでしょう。

大きい個体は北川のやっちみろ会が整備中のホタルの館にあるせせらぎ水路に放流し、羽化を待つ計画です。小さい幼虫は会のメンバーの飼育実習用に提供します。
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by beachmollusc | 2010-03-04 18:41 | ホタル

名水とホタル、白山川

昨夜(13日)は北川やっちみろ会の「ホタル博士育成講座」のホタル鑑賞会で北川の支流である小川のさらに支流にある松葉小学校(昨年度に閉校)の鑑賞場所に出かけました。この場所は大分県に近いところなので、昼間に大分県内をドライブして見て回りました。

大分県豊後大野市三重町の白山川に稲積鍾乳洞というのがあることをツーリング・マップルで見つけ、国道326号線から三重町のところで県道718号線と45号線の道沿いにある距離案内の標識を辿って白山川沿いに走りました。

白山川は環境省の名水100選に選ばれています。
http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/meisui/data/index.asp?info=94
<傾山(かたむきやま)に源を発し、奇岩、巨岩に富み、渓流沿いの岸壁から地下水が湧き出ている。ゲンジボタルやムカシトンボの生息地としても知られ、6月にはホタル祭り、8月には名水しぶきあげ大会が行われている。>

上流に近づくと歓迎タワーが出迎えてくれました。
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この川には奇妙な形の岩があって独特の風景を造っています。
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古い石の橋が所々にみられますが、大切に保存してもらいたい遺産でしょう。
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夫婦岩というのを渓流に見かけました。
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場違いな金ぴかの菩薩像が突然出現したと思ったら、稲積鍾乳洞でした。
自然環境と整合していない悪趣味の観光施設のように思えました。
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トルマリン効果を謳った洞窟水を販売していました。これは洞窟の観覧チケット1200円を出すと20リットルサービスだそうです。来客のセルフサービス用の水汲み場が用意されています。
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トルマリンについてはいろいろ言われていますが、これを擬似科学の一つとして槍玉に挙げている有名サイトがあります。番外:トルマリンは心理的効果のみ!<市民のための環境学ガイド>
http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/PatTourmaline.htm

ミッキーが車の中で待っているので洞窟に入るかどうか迷っていたら、切符売り場でワンコ連れで入場してよいと言われ、ヒンヤリした鍾乳洞内を散歩しました。中は歩きやすいように足元が細工され、照明は過剰になっていました。特に光が当たっていた周辺で草が生えていたのが印象的でした。

洞窟を出たところにホタルの資料館というものがありました。
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何も工夫がされていない、ありきたりの簡単な説明文と写真だけの施設です。

ホタル祭りの看板がありましたが、祭りは先週、6日の土曜日に行われたようです。
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名水白山川ホタル祭り:神楽も披露--豊後大野 /大分
毎日新聞 2009年6月9日 地方版
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by beachmollusc | 2009-06-14 10:20 | ホタル

ホタル籠つくり

30日の午後、北川長井地区の家田公民館でホタル籠つくり教室がありました。これは「北川やっちみろ会」が企画したホタル博士育成講座の一こまです。講師は地元の籠つくりのベテラン、名人のご婦人たちが総出でした。

北川のホタル籠は、国道10号線沿いの道の駅「はゆま」で販売されています。また、町のホタル祭りの時にも販売され、製作者の皆さんが観光旅行に出かけることができるほどの売り上げがあるそうです。

北川のホタル籠は見栄えがよく、とても魅力的です。それを編み上げる手間はかなり面倒であり、熟練を要すると思われます。この芸術的な技術はぜひ伝承してもらいたいものです。今回は20名あまりの受講生が集まって、熱心に取り組んでいました。
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籠をつくるための材料は小麦のムギワラであり、籠をつくるために丁寧に取り扱われます。まず穂先を切り落としますが、藁をつなぐためにクサビ状に切っていました。
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ワラの準備ができたら、底の部分から上に向かって編んで行きます。底辺は四角、または六角ですが、後者の方が難しいようで、初心者は四角の方から練習しました。

ベテランの技を紹介します。
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完成した籠です。
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ホタル籠は底が密閉されていませんが、籠の中に入れられたホタルは上に向かって歩く習性があるので籠から抜け出ることができません。
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by beachmollusc | 2009-05-31 07:10 | ホタル

お知らせ

昨夜まではポツポツでしたが、小原の奥野河川プール近くの杉林でヒメボタルの集団発光が本格的に始まりました。29日20時半現在、~百匹程度が光っています。伐採された中央部はやや少なめですが、自宅前の斜面では一面に光っています。

ゲンジボタルとヘイケボタルは10~20匹くらいが奥野川と家の周囲、特に水田の上を飛び交っています。

30日の午後に最初のmaypop(チャボトケイソウ)の花が咲きました。
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by beachmollusc | 2009-05-29 20:57 | ホタル

北川流域の家田・川坂湿原

昨日の北川ホタルの館におけるホタル博士講座の前に、長井地区の家田・川坂湿原を見ました。これらの湿原を埋立て、工業団地の造成が進められていたところ、ヒメコウホネ群落やグンバイトンボなどの希少種の生息する重要湿地であると環境省によって認定され、一転して保全区域となったそうです。

宮崎のページ・ようこそ宮崎の中に「家田・川坂湿原」の説明があります。
http://www.0503ak1025.net/zz-ieda.html

<「家田(えだ)・川坂湿原」は鏡山(645m)などに降った雨の伏流水が湧いて流れる家田川の周辺の湿原である。先の大戦中に食料確保のために水田にしたが、減反政策で水田の耕作が放棄されて元の湿原に戻った。(旧)北川町は工業団地にする決定をして家田湿原の約半分を買収して埋め立てをしたが反対運動が起こり、2002年に埋立て工事を中止し、湿原は壊滅直前でかろうじてその生命線を維持できた。>

以前からその存在は知っていましたが、今回初めて現地を見ました。

浦城海岸でナミノコガイの定期サンプリングを済ませ、須美江から北川に抜ける県道240号線で鏡山の中腹を通り、家田川の源流が刻んだ渓谷沿いの険しい山道を下って平地に出た場所に湿原がありました。

湿地の上手は沼になっていますが、樹木がよく茂っていて、道路から見てその状態は良くわかりません。少し下流の人里周辺で家田川は石積みとコンクリート護岸の直線水路になっています。昨夜の雨で増水したらしく、かなりの濁流が流れていました。

ヒメコウホネの群落がこのような人工的に改修された水路に群生している姿は不思議に思われました。おそらく水路の底は泥が堆積しているのでしょう。鉄砲水で堆積土砂が洗い流されるならば、このような植物は成育が難しいはずです。3面張り工法が広がる以前の時代に河川改修されたのでしょうか。
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湿地の近くでは東九州自動車道の建設が進められていて、遠くにコンクリートの支柱が並んで見えます。
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可愛岳(えのたけ)の花崗岩の侵食された姿が不思議な形となって、そして727mという高さもあって、地域景観のランドマークになっています。長井地区では家田川周辺の田園風景と見事にマッチしています。
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【可愛岳、えのたけ】のページ
http://www3.ocn.ne.jp/~jl6obb/yama/enotake/enotake.html

家田川の流域でも「農地・水・環境保全向上対策」の活動が行われているPR看板がありました。その隅っこにホタルの絵が描かれていました。
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家田・川坂湿原の環境保全について宮崎県が「整備計画」を始めている様子が伺われました。
聞いた話ですが、この整備工事の場所でホタルが増えることが期待されているようです。
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1200万円の道路と橋です。宮崎県の予算には余裕があるのでしょうか。
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現地の様子を見た印象で、この湿原はトンボたちの楽園でしょうが、ホタル、特にゲンジボタルの生息環境としては難しいようです。たとえ人為的に幼虫を放流しても育つことは期待できないでしょう。水底がヘドロになっていて、ホタルの幼虫の餌になる貝類が成育していない(できない)ような気がします。
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by beachmollusc | 2009-04-26 08:24 | ホタル

ゲンジボタルの幼虫

昨年6月に産卵させて孵化させたゲンジボタルの幼虫、約2000個体を飼育中ですが、2月1日現在、約500個体生存しています。その中で、成育状態がよい、多分、終令(6令)に育っているものが100個体あまりいます。まだ2令で止まっているものも少し残っており、3,4,5の各令の個体がだいたい同じ数(100くらい)います。

同じ環境条件で飼育していて、同じ時に生まれた兄弟・姉妹の成長に大きなバラツキが出ることは驚くことではありません。しかし、大きいものが餌を独占するかもしれない(そのため成長の差が開き続ける?)のと、水槽のろ過砂の洗浄のために全部取り上げてから、大きいもの(5,6令)は屋外の大型飼育タンクに移しました。これは山の湧き水を引いて流しているタンクで、周囲は畑の土で囲んでありますので、このまま放置しておけば、上陸して土マユを作って成虫が出てくるでしょう。ただし、餌のカワニナの補給が欠かせません。

より小さい連中は引き続き、室内で加温して餌を十分与えてキャッチアップさせる計画です。ホタルの幼虫は野外でも成育の差が起こって、同年令でも大きさにバラツキがあるはずです。幼虫期間が1年であるといわれていますが、それは餌を十分食べた個体の話であって、成体まで2年以上かかる個体が実際には多いのではないかと思われます。

写真は水槽から取り出した大きい個体で、タンクに放流する前のものです。丁度脱皮中の個体があって、黒い脱皮組織を付けた真っ白な体が一つ見えます。また、最近脱皮したばかりで、黒い色素が体の全体を覆っていない物が少数ありました。明るい場所では陰を求めてお互いが絡み合ってお団子になります。
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by beachmollusc | 2009-02-03 10:12 | ホタル

コモチカワツボのミステリー

高原町の自然をたずねて、というサイトにめぐり合いました。
http://homepage2.nifty.com/ryofuu/index.html
小林市と都城市の間に挟まれた小さな町に4年前に移住された方のHPです。

町の自然の紹介文から引用:
<高原町の西には高千穂の峰と小林市の夷守岳(ひなもりだけ)を結ぶ連山が連なっています。この連山から流れ出る水や山の麓の湧水が高崎川や岩瀬川になります。これらの川は最後は大淀川となって宮崎市から海に流れ込みます。>

宮崎県内でも極めて自然度が高そうな地域です。小林市には4回出かけていますが、この町をいつもただ通過していました。立ち寄って詳しくみるべきところでした。

出の山のホタル鑑賞が有名になった背景を探るために、現場のシステムを見たときには良くわからなかったことが、このHPの中で具体的に説明されていました。驚いたのは、湧き水を利用した養魚システムに依存していたことです。排水路にマシジミが大量に成育していて、それがゲンジボタルの主な餌になっていること、その現場の生息調査の様子が写真で紹介されています。もっと驚いたのは、シジミを攻撃して食べることができないホタルの初期幼虫の餌がコモチカワツボであるとされていたことです。

高原町の自然の紹介から抜粋して引用:

<コモチカワツボ:
 この辺りは湧水が多いのでその水を利用して鯉や鱒などの養魚が盛んです。この貝は日本の在来種ではなく、ニュージーランドから輸入された養魚用の魚の卵の容器に付着して来たらしいと言われています。
 高原町でカワニナもいないのに養魚池の下流で蛍が異常発生したことがあり、調査したことにより発見されたそうです。4ミリほどと小さいので蛍の一齢幼虫の生存率を上げるのに役立っているようです。>

小林市出の山の調査参加の記録から引用:

<06年発生数推計の為のホタルの幼虫の棲息調査:
 12月23日、前日までに降った雪の残った水路の土手でゲンジボタルの幼虫の棲息調査に参加させていただきました。この水路の上流、中流、下流の三ヶ所を淵、早瀬、平瀬の3ヶ所、計9ヶ所を調査しました。水路は南側が山になっていますので陽が当たらない寒い中、朝9時から午後3時まで行われました。
 水路内の土を約35センチ四方、厚さ約5cmを取ってその中の生物調査をします。ゲンジボタルの幼虫は勿論のこと全ての生物の調査をします。餌のシジミとホタルの幼虫に食べられたシジミの殻の数も数えます。その他にはトビケラやカゲロウの幼虫やサワガニ、トンボのヤゴなども数えます。
 ここのゲンジボタルの幼虫はカワニナではなくシジミを食べて大きくなります。孵化したてのホタルの幼虫はコモチカワツボという3mmほどの小さい貝を食べ、少し大きくなるとシジミを食べているようです。養魚池から出る水には養魚の排泄物が含まれるせいかシジミが大量に発生します。35センチ四方で百を越えるシジミが棲息しています。餌の豊富さがホタルの大量発生を支えています。
 カワニナではなくシジミだけで発生するゲンジボタルは日本中でここだけではないでしょうか。(2006.1.15)>

コモチカワツボは、ゲンジボタルの幼虫の餌に使うと栄養障害を起こし、ホタルの集団を壊滅させるものと、問題視されています。東京都の板橋区にある「ホタルさん」、現代の小松左京とも言われる阿部さんが詳しく調べて問題提起していて、最近のテレビの報道番組でこれが取り上げられて放映されたようでした。

報道特集NEXT “危険生物”が犯人か ホタルの光が消える? (2008/7/5 放送)
http://www.tbs.co.jp/houtoku/onair/20080705_1_1.html

< 「板橋区ホタル飼育施設」(東京・板橋区)は約22,000匹のホタルを飼育し(ゲンジボタル約7,500匹、ヘイケボタル約15,000匹)、毎年6月からは一般にも公開している国内最大級のホタル研究施設だ。

 ホタルの生態を研究している施設長の阿部宣男さんは、15年前から全国300ヶ所以上のホタル生息地を調査している。そのほとんどで「ゲンジボタルが減っている」という報告が寄せられた。

 そしてホタルが減少している地域には、ある生物が大繁殖しているという。それは…

○阿部さん「調査に行くと実はコモチカワツボだった。」 >

阿部さんのブログ「ホタルのホンネ」でもこれを論じています。
コモチカワツボの危険性と駆除方法 2008/08/06 00:23
http://hotaruabe.blog72.fc2.com/?mode=m&no=36

<コモチカワツボは親貝で体長4~5㎜(注意1)で、ゲンジボタルの孵化幼虫から三令幼虫が食べます。コモチカワツボは雌雄同体であり、単為生殖を行います。>

単為生殖というのはメスだけで(オスなし)で卵子が受精しないで発生して育つことですので、上は自家受精の勘違いでしょうか。

コモチカワツボが栄養障害をもたらし、成虫になった時に繁殖に支障をきたす、というのが阿部さんの仮説です。コモチカワツボを初期餌料に使わないようにと警告しています。

ところが、出の山では20年前からコモチカワツボをゲンジボタルの初期幼虫の餌にしているそうです。そこでは野外の水路システムで半自然繁殖させているので、原理的には板橋の飼育施設(循環式生態水槽とせせらぎ)と大きな違いはないでしょう。違っている点は初期幼虫が育った後でカワニナではなくてマシジミが餌になっていることですが、これが栄養状態を改善させているのでしょうか。

阿部さんが現地に行って調べて確認するべきテーマです。

{追記}

コモチカワツボの繁殖などについて調べました。

アメリカにも侵入して厄介者扱いされています。アメリカでは約20年前に初見。
合衆国内で発見された場所の分布を見ると、五大湖周辺と中西部が多いようです。
http://nas.er.usgs.gov/queries/FactSheet.asp?speciesID=1008
Date of U.S. Introduction: The snail was first found in the United States in the 1987 in the Snake River near Hagerman, Idaho (Bowler 1991).
http://www.invasivespeciesinfo.gov/aquatics/mudsnail.shtml

この種の情報について簡潔にまとまったファイルはUSACEサイトにあります。
http://el.erdc.usace.army.mil/ansrp/potamopyrgus_antipodarum.pdf

インディアナ大学などではコモチカワツボの生殖遺伝について研究しています。
3倍体の染色体を持つメスが単為生殖する一方で、2倍体のオスとメスが存在していて
複雑な繁殖生態を見せています。
阿部さんの勘違いは「雌雄同体」の方でした。単為生殖の方は正しかった。
http://www.indiana.edu/~curtweb/Research/about%20the%20snail.html

文献情報を網羅しているサイトで繁殖に関する論文リストがありました。
http://aquaticinvaders.org/nan_browse.cfm?level=4&key=240201000000

オーストラリア、ヨーロッパなどにも移入しています。そのデータベースサイト。
http://www.issg.org/database/species/ecology.asp?si=449&fr=1&sts

科学ニュースでは最近の報道があります。2008080808と、トビトビのぞろ目です。
http://www.sciencedaily.com/releases/2008/08/080808104916.htm
殻にふたがあって魚に飲み込まれても消化されずに排出され、魚が栄養失調になること
が問題視されています。
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by beachmollusc | 2008-08-14 08:56 | ホタル

ゲンジボタルの幼虫が2000匹誕生

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先月産卵したゲンジボタルの一令幼虫が孵化しています。体長は約2mmです。
ちょっと見た目は昨年育てたヘイケボタルの幼虫とよく似ています。
メス親が12個体あったので、5000くらいの幼虫が生まれるかと期待していたのが、
予定よりもかなり少なくなりました。最初の試みだったので、まずまずと言ってよい
かも知れません。

最初の餌、サカマキガイの稚貝を沢山用意しておいたのを与えたら、早速食い
ついています。食べた後は消化管にいろがつき、一回り大きくなっています。
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by beachmollusc | 2008-07-16 18:48 | ホタル