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beachmollusc ひむかのハマグリ


海辺の浅瀬は水産動物のこども達のゆりかごです
by beachmollusc
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海辺の自然を取り戻そう
 自然の恵みを後世に残すためには、その生態と環境を深く、よく知ることが基本です。

 海岸の浅瀬、干潟や砂浜は資源生物のゆりかごです。
しかし、それにおかまいなしに埋立てや海岸構造物の建設、水質汚染も加わって、日本中の水辺、海辺の環境は撹乱され、破壊されてしまいました。その結果、ハマグリなど干潟の動植物の多くが絶滅危惧種となっています。

 このブログでは、主に砂浜環境の保全を念頭において、日本各地の山、川、海の姿を調べて見てまわったこと、
そして2006年5月に移住した日向市の海辺と里山の様子や生き物などを紹介します。

このブログにリンクを張ることはご自由にどうぞ。

    - 自己紹介 -

大学院博士課程修了後7年間の海外での研究と28年余り大学教員をしていました。

海の無脊椎動物(貝、ヒトデ、サンゴ、クラゲなど)が専門、自称の学位は Doctor of
Underwater Marine Biology
(DUMB:バカセ)

楽観的な悲観論者または悲観的な楽観論者:生態的に無理をしている人類の滅亡は近いだろうが、それも自然の摂理じゃないのかな

せっかちな慎重派:ゆっくり
見極めて急いで集中的に
お仕事します

好きなもの:日本蕎麦が一番、パスタ・スパゲッティ、うどんもよし、つまりメンクイです

嫌いなもの:人混み、投棄ゴミ、マスゴミ、脳衰官僚

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<   2009年 06月 ( 30 )   > この月の画像一覧


干支の町、北方の絶景林道ネットワーク

旧北方町(延岡市)は地区名が干支で統一されている日本唯一の干支の町であると謳っています。昨日は時々小雨が降る中、林道探検をしてきました。奥山のあちこちで工事中で、ダンプトラックやタンクローリーとばかり出会う道でしたが、渓流と山並みの景色がよくて、六峰街道よりもよいドライブでした。

自宅から北方には険道225号、酷道388号、県道20号で1時間半くらいで行けますが、一部無料区間がある自動車道で門川と延岡を通って北方インターまで行きました。

延岡南道路の区間だけ有料で、数分間の通行で250円ぼったくられます。ここは国道10号線の1車線・慢性渋滞区間ですので、バイパスとして無料にすべきです。自宅から広域農道(日豊グリーンライン)と県道226号線経由で北方インターまで約40分でした。これなら、そのまま足を伸ばせば高千穂まで自宅から1時間半で行けます。

北方のどこをターゲットにするか考えて、行縢(むかばき)山という変な名前に興味をひかれて、その登山道がある県道235号線を進みました。ツーリング・マップルによれば、この道のずっと奥にある細見川の西谷の渓谷で「手付かずの自然」が残っているそうです。

渓流の桑水流(くわずる)というあたりは大きな岩がゴロゴロある面白い景色でした。
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もっと上流の自然渓谷目指して進むと、県道が終わって林道に入ったところで道路工事中で行き止まりでした。(看板では工事期間は6月30日までで、惜しくも通れません)
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その手前で車を止めて渓流釣りをしている人の姿を見かけました。
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山間部に入ると砂防ダムが次々に出現しますが、その人工の滝が滝つぼを作っていて、そこで渓流釣りをする人がいるという何とも形容が難しい状況です。

砂防ダムの上に溜まった土砂を動かす仕事もあるようです。
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このあたりに重機が川に出入りする道が出来ていたのでミッキーを連れて河原に降りました。
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川岸に着いたら、長いものが大急ぎで逃げだしました。ヤマカガシですが、カジカガエルを狙っていたのでしょう。オタマが沢山いました。岩の陰や隙間を逃げ回る被写体は撮影しにくいものです。
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このあたりにはミツバチの巣箱が道路沿いに多数仕掛けられています。崖の上にあったものはどうやって処理するのでしょうか。梯子が必要な場所で設置されていました。
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細見川沿いの山奥の二股集落から隣の曽木川の渓谷沿いの道路で石上の集落に出る林道が地図にあったので、進んでみると、建設記念標識が地べたに置かれた石に見られました(石碑の代金を節約したのでしょう)。
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しかし、道路は張られたネットでブロックされていました。立派に舗装された道路のようでしたが、この林道は一般者の通行を嫌っているようです。
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このあたりにもミツバチの巣箱がずらっと並んでいます。ミツバチの集団失踪事件はこの地域では起こっていなかったのでしょうか。
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しかたなく二股の下流にある別の集落まで戻って、樫原から屋形原まで小さいトンネルを抜けて出ました。途中で工事中のため、通行時間の規制がありましたが、丁度通行できる時間帯でした。

屋形原から曽木川の上流目指して県道215線を走りました。こちらの方が隣筋の235線よりも走りやすい道路でした。二股地区の干支はイノシシですが石上地区は犬です。
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県道215号線が終点となる大保下(おほげ)の集落から先の山中には幹線林道、大保下・下鹿川線が走っていました。ツーリング・マップルにはローカルな林道と紹介されていました。確かにローカルであることに間違いありませんが、立派で道幅が広く走りやすい舗装道路です。下鹿川はもう一つ西の谷筋で北方と日之影の境界となる綱の瀬川に沿って走る県道214号線にあります。

この林道で大きなシマサルナシの株を見つけましたが、それだけでなく、鹿が次々に現れ、仔鹿を連れたメス、そして初めてのオスの鹿を見ました。このオス鹿を見つけたときはかなり距離があって、車をすぐ止めて様子を見たら、相手側もこちらの様子を確かめるようにじっと見てから、斜面の上に登って足を止めていました。
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大保下・下鹿川線の林道は山の中で分岐していて鹿川方面と蔵田に向かう道が分かれていました。後者は(一部古い舗装が壊れた区間が残っていますが)最近舗装されたばかりのピカピカの自動車道路で、700mくらいの高度で尾根伝いに南に進み、国道218号線、日之影バイパスに出ます。

茶臼山という頂上の周囲で岩盤が露出した標高約700mの山頂の近くを通過しました。
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この山を最初の細見川沿いの県道235線から見上げた姿と比べてください。
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山頂の周辺では皆伐されていますが、このような海抜の高いところで山頂まで丸裸です。
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高温多雨の環境ですから伐採後はすぐに草木が生えて緑が戻るでしょうが、集中豪雨があればかなり崩れるかもしれません。山の下を流れる渓流はそれぞれが五ヶ瀬川に合流します。アユが名物ですが、それに悪影響が出ても不思議ではありません。

伐採地を過ぎると、尾根を切り抜いた林道の両側で広大な山並みの景観が見えます。六峰街道から見下ろす五ヶ瀬川は遠すぎるのでよく見えませんが、干支大橋の姿がくっきりと見えました。
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五ヶ瀬川のはるか向こう側でETOランドの風車も見えました。(写真では見えにくい)
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さすがETOの町でした。

五ヶ瀬川と別の方角を見ると、行縢山と思われる山の姿をはじめ、まだ名前が認識できていない山々が見えます。
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この林道、蔵田・下鹿川線は絶景街道ですが、道路脇に「九州自然歩道」の標識があり、昔の登山道が拡幅、舗装された道のようです。

九州自然歩道、宮崎県コースのガイドによると:
延岡市北方町(きたかたちょう)内約32キロメートルの一部、延岡市内約17キロメートル、美郷町北郷区約26キロメートルのコースです。
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/kankyo/shizen/trekking/yuhodo/map_03.html
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by beachmollusc | 2009-06-30 09:50 | 日記

ヤムイモの仲間たち

尾鈴山の周辺の道路わきで極めて大きな葉の蔓草が目にとまりました。大きくて赤っぽい色の葉がとても目立っていました。樹木に絡んでよじ登ったり、草原の上に広がったりしていました。大きい葉は長さが30センチ近いものもありました。
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名前がわからないので「宮崎と周辺の植物」サイト(リンク先リスト参照)の画像掲示板で教えていただき、ニガカシュウという名前がわかりました。学名はDioscorea bulbifera L.でリンネが命名した種です。 ヤマノイモ科のヤマノイモ属の1種です。

大きなムカゴと丸い根茎は名前のとおり苦くて食用にならないそうです。その苦味は、ステロイド系の成分であるDiosgenin(サポニンの構成成分)だそうですが、晒せば消えるのでしょうか。英語のウイキでは芋を煮ると苦味は消えるとありました。このステロイドは薬品をつくる原料として利用されているようです。

このニガカシュウの栽培品種では苦味がない系統(カシュウイモ)もあるそうですが、トンガでは染色体数の異なる食用の株があると、文献検索したら簡単な報告がありました。このヤムイモの一種は熱帯に広く分布しているようです。

ニガカシュウ(ヤマノイモ科)のむかごの漂着と海流散布
中西 弘樹 , 久保田 信 , 中西 こずえ 漂着物学会誌 4, 15-18, 2006/12

本文・概要がオンラインで読めず、この学会には所属していないので学会誌も手元にありません。そのため本文も概要も読んでいませんが、海流でムカゴが漂流して太平洋や東南アジア各地に広がっていることが論じられているのでしょうか。

トンガやフィージーなどの南太平洋諸島には頻繁に出かけていたので、タロとヤムの芋はおなじみですが、ヤムイモの葉をシゲシゲと見たことが無く、このニガカシュウの存在には気がつきませんでした。

自宅の周辺ではヤマノイモ科の植物が急速に成長していて、いろいろな葉を持っている蔓が見られます。ニガカシュウとそっくりですが、これはオニドコロというものでしょう。
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葉がハート型で丸いのと細長いものとがあり、さらに葉が切れ込んだものもあります。ヤマノイモ、ナガイモ、カエデドコロなどでしょうが、これまで注意してみていなかったので種の査定は不確かです。だいたいは識別できますが、葉の形の種内変異もかなりあるようです。
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以上が、自宅近くの様々な連中ですが、これらとはちょっと感じが違うものが1つありました。
これはなんだろう。
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by beachmollusc | 2009-06-29 09:20 | 植物

野生の鹿

尾鈴山塊の周辺ではこれまでサルナシを探索していなかったので、昨日は都農町側からドライブして見てきました。広域農道の尾鈴サンロードを南下して、都農の観音滝の案内標識を通り過ぎ、都農川沿いに山に向かう名前のわからない立派な道路を進んだところ、山の麓の集落、木和田に着きました。

東郷の観音滝と同じ名前の都農の観音滝の存在は地図を見て気にしていたので、6月11日に現場に立ち寄りました。その時の写真ですが、この滝は農道の橋の下を通過した川から水が落ちているもので、滝の最上部しか見えません。藪を掻き分けてマムシを気にしながら滝の見下ろせる場所まで行くことは遠慮しましたので、どのくらいの落差があるものかわかりません。
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この滝の上の、つまり橋のすぐ下に若い鹿の綺麗な(死んでまもない、外傷もない)死体が浅い水中に沈んでいました。
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通りがかった地元の人にそれを教えたところ、引き上げて食用にする気があったようなそぶりでした。その後どうなったか知りませんが、このような場所に鹿が死んでいたことは不思議でした。

木和田の集落からは急な坂道を登ります。地図上に道として記してありますが、特に標識も何も無い1車線の舗装道路で、路面はしっかりしていました。このあたりに、地図上にトンネル(尾鈴隧道)が記載してあったのですが、これを通過しなかったのは別のルートを通ったのでしょう。この周辺の山中には標高約600mの山上の牧場とすぐ下の山腹の芋川の集落があって、生活道路・林道・農道となっているようです。しかし、交通量が極めて少ないことは言うまでもありません。

目標がないまま走るのは気合が入らないので、尾鈴神社という案内標識を見つけて進みました。GPSで位置を確認しながら一部舗装が崩れた山道を走り、牧場で放牧された牛の姿を見ながら、すぐ手前まで進みました。牧場の建物があるところで舗装が切れ、神社へは徒歩でしかしか進めないことがわかりました。シーズンがよければミッキーと散歩でしたが、あいにく日が射して蒸し暑かったので、神様には挨拶せずに引き返しました。

牧場に沿った道で目前に鹿が1頭出現しましたが、これは即座に藪の中に消えました。

戻り道は木和田方向には進まないで、芋川の分岐路から名貫川沿いの道路、つまり尾鈴の瀑布群のある尾鈴山へ登る県道307号線に出るルートを選びました。道を下りながら、これまでの道よりも南側の斜面に面していた明るい道路わきでシマサルナシを次々に見つけました。(深い谷間の暗い道や北向きの斜面では見つかりません)。その中に異常な果実をつけた株がありました。
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何かに寄生された一種の虫こぶかもしれませんが、肥大しないで乱雑な姿となっていました。

このシマサルナシのすぐ近くで、曲がり道を曲がった先に鹿が2頭出現しました。すぐに車を停めたら、逃げようとしていた鹿の脚が止まり、こちらをじっと見ています。そこで、デジカメをオンにし、ズームを最大にして車の前面のガラス越しに撮影した写真です。1頭は陰に隠れていますが、同じくこちらを警戒しています。
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2枚目のショットの後で2頭とも姿を消しました。

野生の鹿はいつも猟師に狙われているので、警戒心が強くて出会っても瞬間的に逃げ去ります。すぐ逃げなかったのはなぜなのかわかりませんが、今回初めて、対面したままの状態で数秒間お互いに見つめあったのでした。
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by beachmollusc | 2009-06-28 09:13 | 日記

グンバイヒルガオ

今朝の小倉ヶ浜は、駐車場に大分や福岡のナンバーをつけた車が並んでいて、週末サーファーが大勢来ていました。

階段護岸の付近で頑張っているグンバイヒルガオが咲いていました。これは沖縄の砂浜では普通に見られるものですが、小倉ヶ浜は分布の北限に近いようです。
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徳島県立博物館の植物担当学芸員の小川誠さんの頁に面白い記事があります。
http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/ogawa/gunbai/default.htm
グンバイヒルガオの謎 -分布の北上は地球温暖化のせい?- 
<中西(1987)はグンバイヒルガオの分布を詳細に調査し,幼個体は日本海側では山形県まで,太平洋側では茨城県まで記録があるが,幼個体が冬に枯死してしまうそうです.こうしたものは種子が南から流れてきて発芽しているとのことですが,繁殖している場所(中西(1987)では開花,結実し,越冬する産地を繁殖圏と呼んでいる)の北限は宮崎県の高鍋町であるとしています.>

20年前は高鍋が分布北限地と考えられていたのが、最近では大分の蒲江や高知市の海岸で繁殖しています。徳島県は越冬可能に関してギリギリのところにあるようです。日本海沿岸では発芽しても越冬できずに繁殖できないで消えるのでしょう。

わが家ではルコウソウなどの小型の花を咲かせるヒルガオの仲間が咲いています。
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by beachmollusc | 2009-06-27 08:51 | 植物

県道39号線

県道39号、南郷・西都線は小丸川の支流である度川(どがわ)に沿って走ってから峠を越えて一ツ瀬川の支流である銀鏡川(しろみがわ)の渓谷に向かいます。これは小丸川の本流沿いに走る県道22号、東郷・西都線と平行しています。これら2本の県道の中央で山塊の尾根伝いに走る「ひむか神話街道」の中之又・吐合林道と度川・尾八重林道があります。

22号線はすでに走りましたので、39号線の未走行部分を調べることにして、帰り道は神話街道という計画を立てました。39号線は神門の中心地が始点ですが、国道446号線の田口原で234号線経由で39号線までつながっている林道に移りました。この林道には竹ノ野トンネルがあることを知ったので、茶屋越トンネルとどちらが長いかを比べるためです。
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同じく2002年に開通し、これの890mに対して1301mの茶屋越の方が長いことがわかりました。
林道が県道234号線とT字路で交わりますが、このハイウエイ林道からいきなり1車線の険道となります。200番代の県道はどれもドライブには窮屈千万の道で、離合できる場所が少ない1車線道路です。

234号線は度川ダムの縁に出てから終点の橋で39号線と接続していました。39号線は234号線に比べると同じ1車線道路であっても道幅に余裕があります。
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度川ダムは、案内看板から見ると、かなり古い多目的ダムです。貯水量をオーシャンドームと比べていましたが、比べる相手がなくなっています。県外でも誰でも知っているものと比べるべきでした。
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ダムの上流にさらに進むと見事な渓流になっていて、ホタルの名所となっています。
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このホタル看板のある場所は、2年前に無人の「樫葉オートキャンプ場」訪問の時に通過していました。
http://beachmollu.exblog.jp/6202802

キャンプ場へ向かう道と分かれて峠に向かう登り道を進みました。
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峠を越えてからの下りは銀鏡川の谷間を走る道だったので、これを終点の国道219号線との合流点まで走るのは無意味に思えました。その時立派な林道の入り口を発見、米良椎葉林道です。椎葉村ではなくて、西米良村に椎葉という地名があります。
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この林道は地図では山を越えて西隣りの小川川沿いに南下する県道316号線の始発点とつながった後でさらに西側の西米良の中心部までの幹線林道ですが、県道よりもドライブが楽なよい道でした。

米良・椎葉林道の西都市側は、周囲の山が自然林で覆われた優れた景観が続いていました。
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ところが、日平越の峠を境にして西米良村側に入ると景観が一変し、伐採された跡が広がっていました。
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峠では西米良のシンボル、カリコボーズが出迎えてくれました。
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カリコボーズ街道を下ると、途中で大きな滝が二つあります。布水滝は落差が75mで道からは全貌がわかりませんでした。もう一つの虹の滝はこじんまりした二段の滝でした。
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西米良の中心部まで林道を進むと時間がかかりすぎるので、険道316号線に進みました。
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この道の谷川は小川という地名にある川なので小川川という名前のようですが、これは銀鏡川の西側で並んで流れていて、どちらも一ツ瀬川の支流です。あいにく、どこかで工事中だったようでダンプトラックの隊列と遭遇し、狭い道を通るのに苦労しました。

ようやく国道219号線に出て、その後は前に西米良から戻ってきたのと同じ、ひむか神話街道で中度川まで戻りました。入り口は大椎葉トンネル、途中の山上で空野トンネル、そして茶屋越トンネル経由でした。
中度川の川を渡る橋に下る前に、林道から度川を見下ろすことが出来ます。
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ひむか神話街道の途中で二つの林道がつながっていますが、空野トンネルの手前で中之又へ下る分かれ道では生徒がいなくなった中之又小学校への案内看板が寂しげに見えました。
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神話街道は一部区間(約400m)が工事中ですが7月中には工事が終わって全線が舗装道路になるでしょう。
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by beachmollusc | 2009-06-26 20:42 | 日記

虫こぶ

昨日林道でチェックしたマタタビの虫こぶはかなり大きく膨らんでいました。
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これまで見て回った結果、経験的に、マタタビは山中で日がよく当たる谷間(水が豊富な場所)で、普遍的に分布していることがわかりました。環境が人工的に改変されていなければ、そのような場所ではどこでも広く成育しているようです。高度1000m付近まで見かけました。また、葉が白くなっていないまま、花が咲いた株もありました。オスとメスの比率は調べていませんが、大きな性比の偏りはなさそうです。

マタタビ属の生態分布調査の報告があるかどうか知りませんが、極めて普通にある生物の研究調査というものは案外なされていないことが多いので、まとまった知見は報告されていないかもしれません。

昨日までに、サルナシ探しで日帰り調査が出来る範囲の近隣の道路をほぼ走破しました。これから大雨のシーズンですから、山が各地で崩れて通行止めが続出する前に急いだわけです。オフロード車ではありませんから、ダートの道はほとんど調べていませんが、舗装された林道ネットワークとそれにつながっている一般道を見てきました。種ごとに成育していそうな環境、イメージが見えてきて、低速で走りながら道端のサルナシを見つけることができます。ただし、小さいものは車を止めて散歩しながらでないと見つかりません。

よく管理された諸塚村の幹線林道と、比較的新しく大規模に整備された緑資源林道はダメですが、手入れの悪い(落石が放置されているような)古めの基幹林道がサルナシとマタタビの宝庫です。運よくわが家の前の林道がその一つでした。

サルナシとシマサルナシは開放的な場所で日光に当たることと伝って這い登れる樹木があることが生存の条件になっているようです。自然林では倒木などで隙間が開いた場所がハビタットでしょうが、人工的に切り開かれた場所でもよいわけです。

今朝の散歩中に、家の近所にあるエゴノキ(たぶん)の枝先が奇妙な形になっていたのが気になりました。この木は一ヶ月ぐらい前に白い花を満開にさせ、今は青い実が鈴なりです。それとは別に、枝の先端近くの葉が束になって変形しているように見えます。
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これは虫こぶだろうと思って検索したらありました。

樹木図鑑(エゴノキ):
<エゴノネコアシアブラムシによって形成される黄緑色の虫こぶ。猫の足を連想させるため、エゴノネコアシ(フシ)の名がある。花と前後して、エゴノキの梢のあちこちに、猫足がぶら下がる。7月には、アブラムシは二次宿主であるアシボソに移住するので、この猫足は空き家になる。秋には、虫こぶ全体が茶色く枯れ、冬の間も枝先に残る。>
http://www.geocities.jp/greensv88/jumoku-zz-egonoki.htm

5月1日に撮影した同じ木の花の様子です。
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by beachmollusc | 2009-06-25 08:49 | サルナシとマタタビ

交錯する3本のハイウエイ林道

六峰街道の東側、中小屋天文台からETOランド側はすでに走り、そして諸塚スカイラインも一周完走したので、まだ走っていない六峰街道の西側、終点の五ヶ瀬までのサルナシ探しに出かけました。標高1000m前後の尾根を伝って渡る道です。

北郷のアジサイ・ロードで銀河ロッジのところまで登りました。平日だったのにかなりの数のアジサイ目当ての観光客でにぎわっていました。林道で何度も離合のための道の譲り合いをしました。アジサイが植えられているのは道路沿いだけでなく、山腹の見事なアジサイ畑では三脚付きカメラを向けた人々が大勢でした。

中小屋天文台から一路西へと進みましたが、林道世界一の諸塚村でみごとに迷子になってしまい、出るつもりが無かった諸塚村の中心部に降りてしまったのです。これは六峰街道と緑資源林道と諸塚山スカイラインが交錯・重複していたため、案内標識を読み違えた結果でした。おかげで険道50号線と209号線まで探索できました。サルナシとマタタビの収穫は乏しかったのですが、不思議なサンプルを見つけて悩みが増えました。

迷子になった途中の道に諸塚の中心部などを見下ろせる展望台がありました。
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ここには第2展望台があったものが、落雷を受けて土台だけ残っています。この場所で草刈作業中の人に教えてもらいました。
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良い天気に恵まれたので有名な諸塚のスギ畠のモザイク模様をはっきり見ることが出来ました。
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前に椎葉村でも見かけた、上部が変色したスギが混ざっている場所を見かけました。
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片側1車線の自動車道路である緑資源林道に対し、基幹林道を継ぎ足した六峰街道は4m幅が基準のようでした。下の写真は山上の交差点の一つです。左に進むと中央線のない六峰街道ですが、まっすぐ進むと日之影で国道218号につながっています。その反対、手前側が重複路線です。
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高速道路並みになっている緑資源林道ではスイスイと走れます。対向車もほとんどなく、信号はもちろんありません。しかし、六峰街道の林道では路上の落石を避けながらゆっくりと走ります。

走行するドライバーに注意を呼びかけた看板です。かなりくたびれていますが、メッセージは読めます。
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六峰街道はスタート地点から五ヶ瀬の終点までの総延長距離が約50キロあります。その終点の看板が無残にも倒れていました。
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山上の日諸峠では周辺各地への林道が交錯しています。
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下の標識で桂峠に別方向から行くように示されていました。これは謎です。
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日之影と諸塚を結ぶ旧林道は昭和25年に着工し35年(1960年)に完成したという石碑を見かけました。半世紀も経過した石碑で、当時の県知事の黒木さんの名前がはっきりと読めません。
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当時のお金で1億1、423万円の建設費を要し、10年がかりで約30キロメートルの林道建設でした。暇な人がいたら、現在の貨幣価値に換算して、最近のデータと比べてみてください。

帰路は五ヶ瀬から、高千穂と日之影経由で延岡の方向に国道218号を走り、北方で県道20号線に移ってさらに酷道388号線、険道225号線経由で自宅前までの林道(塩見谷・土々呂内線)につなぎました。本日の走行距離は約200キロ、出発から帰宅まで約8時間でした。

[追記]
六峰街道と諸塚山スカイライン、そして緑資源林道のそれぞれの位置関係は市販の地図上ではわかりません。おまけに3本の重複部分があります。

ひむか神話街道については県などのHPで詳しく説明されていますが、ハイウエイ林道ネットワークを走るドライバーについては考慮されていません。そこで、神話街道のマップをベースにして大規模林道を書き加えてみました。細かい屈曲は省略した概略の路線図です。
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緑資源の大規模林道、宇目・須木線はあちこちで分断されていて一本につながっている道ではありません。日之影より北側で大分に行く部分はわからないので除外しました。神話街道の南郷から西都市の区間(茶屋越トンネルと空野トンネルがある道)は緑資源林道ではないようで、どこに消えたのか不明です。とにかく全体像が読めないのが大規模林道です。

ループになっている諸塚山スカイラインも県道50号線で分断され、結ばれる位置がずれています。

六峰街道は林道のつぎはぎですが、1本道となっています。東は県道20号線、西は酷道503号線と接続していますのでわかりやすい道です。他の2本のスーパー・ハイウエイ林道の重複部分の標識を読み間違えず、状態の悪い方の道を選べばOKです。

一般道(国道と県道)は谷間を走り、大規模林道のネットワークは山頂の尾根伝いを走る道であると理解してみれば配置が良くわかります。山頂を突っ切って近道のように見えますが、実際は勾配と屈曲でスピードが出せませんから、時間はかかります。山の向こう側の目的地に急いで行くならば、山麓をぐるっと回った方が早く着きます。
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by beachmollusc | 2009-06-24 20:17 | 日記

生命の営みに対する干渉

低気圧の前線が通過して少しまとまった雨が降った小倉ヶ浜の今朝の様子を見てきました。

日の出から1時間ほどで、太陽が照りつけた海面から水蒸気が昇っているようです。霧がたなびくといった風情のある景色でした。
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砂浜では生命の営みのなごりが見えますが、それに対する干渉の様子がわかります。
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親の敵を討つかのごとくの熱心さで、早朝からアカウミガメの産卵巣を掘り出したようです。
コンクリートの階段護岸が邪魔ですが、この場所ではハマゴウなどの海浜植物が生育していて、安定した環境のはずです。卵を巣から掘り出して移動させることは、自然の営みに対する干渉です。

移設される場所は台風の大波が届かないような高い場所が選ばれているようですが、そのような、本来産卵場所にされていない(環境条件が適していない)場所に移設して集中させることのリスクは大きく、そして移設する作業が発生中の卵に悪影響を及ぼしているでしょう。ウミガメが大切であるならば、産卵場所の障害物となっている護岸の撤去が先です。

ハマゴウは花を出し始めていました。これも繁殖活動中です。
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by beachmollusc | 2009-06-24 07:46 | 海岸

山幸彦もびっくり、ピカピカ林道と皆伐跡

北浦の浦城ビーチでナミノコガイの生殖状況のモニタリングを続けているので、今日の午前中にサンプリングを済ませました。その後は388号線経由で10号線に戻り、延岡市内を流れる祝子川(ほうりがわ)に沿って県道207号線をドライブしました。マラソンランナーの練習走行道路となっているらしく、距離標識があります。

この川は、花崗岩の岩礁が奇観を呈する渓谷の評判が高いことと、「美人の湯」という温泉が上流にあることで知られています。また景観が優れた大崩山(おおくえやま)の登山路もあります。地質的に特異的なために周辺の山岳景観とは異なった姿のようですので、とにかく一度は見ておきたかった川筋でした。ところが、川が刻んだ渓谷に沿った道路は山中で極めて狭いので、ドライブの厳しさは尾鈴山の道路とよい勝負です。

祝子ダムの手前に川の中に半分崩壊した魚道のようなものがあったので、それが見える道路わきの狭い空き地に車を止めました。壊れていてよくわかりませんが、昔は魚道だったもののようです。
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写真を撮影して歩いていたら何かに捕まって足元が止まりました。ズボンの裾にイバラの棘が絡んでいました。なんと、先日存在を知ったばかりのジャケツイバラさんです。まだ小さいので裾で済みましたが、もし大きかったら身動きできなくなる相手です。縁は異なものですが、正体を知っているので、皆さんのために取り除くことにしました。ついでに自宅まで持って帰って、西米良から来た苗達と一緒に育てることにきめました。
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ダムは想像以上に大きく、道路から全容を撮影できないほどです。ダム湖の水位は低かったようですが、堰きとめられた水が濃いチャイロでした。藻類が繁茂しているようです。その栄養源があるはずですが、温泉のある地域で山中に農地と住居が広がっていました。
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大崩山の花崗岩が露出した山頂付近はとても荘厳な感じです。
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温泉の駐車場に山幸彦の像が大崩山を背景にして建っていました。祝子というのが山幸彦の神様としての名前だそうです。海幸彦から借りた釣り針をなくした経歴を持っていて、神武天皇の祖先だそうです。
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この地域が神話街道の路線から外れているのは、地形的に厳しくて尾根を越えて高千穂方面まで道がつくれなかったからでしょう。県道207号線は岩戸・延岡線という路線名ですが、岩戸のある方に行けないどん詰まり道路です。

同じ道を戻るのは知恵が無いので、温泉のところから国道326号線まで林道を走ることにしました。ツーリングマップルによれば、2本のトンネルがある林道があって、その道に侵入する入り口も少し南にありました。しかし、建設直後の林道では沿線にサルナシは無いだろうと思い、平行して走っている北の古い基幹林道である祝子川・下赤線を進みました。この林道沿いには山中に農村集落があり、生活道路となっているようです。

標高約880mの黒原山の山腹を走っているこの林道では、道沿いにサルナシは次々に見つかりますが、若いものかオスばかりで、実がついた株はゼロでした。

山頂を越えて下りにかかると、突然視界が開けましたが、それは山林の伐採地に出たからです。
森林開発公団の看板が残っていました。これが自然との共生だそうです。

水をはぐくむ、と書いてありますが、これでは洪水を育んでしまうでしょう。
この山地から流れる支流は北川に合流しますが、北川流域は4年前にも大洪水を経験しています。
山の自然を改変し、緑のダムを壊すことが税金でまかなわれ、山と川、そして海の幸が損なわれています。
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斜面防護の工事が施された斜面でも伐採されています。ここはいずれまた崩れるでしょうね。
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伐採は現在進行中で、林道はこの伐採地の周辺で真新しく舗装されていました。

下山途中で、もう一本の平行する林道とトンネルの出口で合流しました。トンネルのある道を通れば、温泉や登山口までは近道となるはずです。つまり、延岡市内からでも、県道207号線を走るよりも、国道326号線の下赤からトンネル林道経由の道が早いだろうと思われます(国道に入り口の案内標識があります)。

自分が走ってきた迂回路の道筋の案内板がありましたが、祝子川の方向がトンネルと迂回路で食い違っていて変ですが、これはトンネルの向きが実際と違う(クネクネの下を通る)からです。林道を下から登ってトンネルに入るか、または迂回路を通る場合には結果的に混乱を生じませんが、逆向きのコースでは道がわからなくなります。そのようなコースを辿るドライバーは滅多にいませんから、不親切な案内であっても結果的に支障はないでしょう。しかし、林道には枝道がいくつもあって、簡単に迷子になります。
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山幸彦の国で山林を皆伐して裸にするために、立派な林道がつくられていました。林業の振興(付随して林道建設)のためになりふり構わない公共事業が自然環境と観光資源である景観を損ない、さらに河川と海の水産資源を失わせています。林道ではカモシカは見ませんでしたが、鹿が1頭走っていました。鹿などの野生動物たちも環境の激変で戸惑っていることでしょう。
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by beachmollusc | 2009-06-21 19:47 | 日記

大規模林道の存在価値

緑資源機構のあとを継いで林道建設に邁進している森林農地整備センターのHPには昔の機構が書き残した情報があります。緑資源幹線林道事業については下のように書かれています。

林道ネットワークの軸となる幹線林道を整備しています
-緑資源幹線林道事業-

 複数県にまたがるような大きなまとまりを持った森林を、健全に手入れしていくためには、森林の隅々に到達するための林道のネットワークが必要です。
 植物の葉の隅々に栄養を届ける葉脈や、体内に血液を循環させるための血管と同じです。
 血管にも大動脈-動脈-毛細血管などの違いがあるように、林道ネットワークにも幹線林道-一般林道-作業道などがあり、それぞれが互いに機能しあい、より大きな役割を果たしています。 緑資源幹線林道事業は、日本の7つの山地に広がる広大な森林地帯(林業圏域)において、幹線となる林道を設置する事業です。 7つの林業圏域には、全国の森林の30%にあたる約750万ヘクタール(東京都の約34倍)の森林があります。
 幹線林道を軸とする林道ネットワークは、水の供給や地球温暖化防止など森林の持つ機能をより多く発揮させるだけでなく、山村地域の生活道路や都市と森林を結ぶパイプラインとしても役立ちます。

 緑資源幹線林道事業は、現在計画されている延長2,025kmのうち、65%に当たる1,312kmが完成しています。完成した幹線林道は、地域振興の基盤として活用されてます。

http://www.green.go.jp/green/gyoumu/rindo/index.html

正しい文章をつないで嘘をつくテクニックは官僚が業務を遂行するための基本技術ですが、上の文中で森林と人工林を上手に摩り替えています。また、都合の悪いことは伏せておくことも基本です。たとえば森林を都市と結ぶ国道や県道など、一般道のネットワークの存在については忘れられているようです。

九州北部の山林は地質時代の激変の傷跡を残していて、稜線がきわめて複雑に入り組んでいます。人工林をつくることは山地の地形に依存していて、水系のまとまりに沿った、すでに出来上がっている一般道を基本に、下流の拠点から山地に放射状に伸ばす作業道が搬出などの林業の基本作業を考えると合理的でしょう。それはすでに出来上がっているようです。

大規模幹線林道を大動脈と考えて、もともと連結する意味が薄いブロックの間に自動車通路を設けても、それを走る、つまり道路が利用される動機が産まれないでしょう。都市と森林を結ぶパイプライン、というのは何を意味したのでしょうか。観光を意識していることは一応考えられますが、一般道路から遠く離れて、走る時間ばかりがかかり、ただ禿山の景観が広がっている北九州の稜線を見に観光客がやってくることは期待できるのでしょうか。

完成した大規模林道を広範囲に走ってみましたが、地域振興に役立っているかどうかについてはきわめて疑わしいと思います。むしろ、一般道の維持と整備の予算だけでもアップップの地方行政に余分な維持コストを強いているのではないでしょうか。ただし、4年前のように大規模災害が起こって、災害復旧予算が国からの別枠で出てくれば、土建に関しては結果的に地域「振興」になっているかもしれません。崩れ易く、特に誰も走らない(崩れても不都合が無いような)林道は予算獲得の仕掛けとして有益な存在でしょう。

森林農地整備センターのHPには、大規模林道建設の(計算根拠が示されていない)コストベネフィットのプラスの計算結果と検討委員会の積極的な評価を元にしたゴーサインの「自己評価」が記載されています。お手盛りの評価であることは素人でも一目でわかりますが、専門家の委員会は何を検討していたのでしょうか。

複数の県をまたがって建設する事業は国からの予算でという、農林水産官僚がひねり出した(予算獲得)構想が大規模林道と広域農道システムであったと思われます。そして、事業を進める公団(機構)もできて天下りポストも生まれ、省益にぴったりでした。建設のための理屈は後からいくらでもついて来ます。一部の受益者と官僚のために自然破壊がビジネスと化し、山奥の河川から海まで自然の恵みを壊しまくりました。

北海道から九州まで、全国でこの建設に異を唱えている個人と団体がありますが、一般市民の関心は低いようです。

北海道の大規模林道問題 
北海道の山奥に理不尽な超大型公共事業の手が伸びている.
http://city.hokkai.or.jp/~kagami/Daikibo/Daikibo_menu.html

細見谷に大規模林道はいらない 
止めよう無駄な公共工事・なくそう無駄な天下り先
http://hosomidani.no-blog.jp/jumintohyo/

大規模林道の呆れた費用対効果分析
(渓流2005夏号掲載)
http://web.mac.com/s.ura/iWeb/9C156D2E-90CC-11DA-BB68-000A95B12BB6/9C3260B0-90CC-11DA-BB68-000A95B12BB6.html
< 結局のところ、大規模林道建設の目的は地球温暖化の防止でも林業の再建でもなく、むろん地域の活性化といったものでもない。むしろ土建業者の活性化と役人の天下り先の確保、この2点が緑資源機構の目的と断言してよいだろう。苦し紛れに災害時の迂回路を持ち出す区間もあるにはあるが、現実は災害時になれば真っ先に通行不能になるのが大規模林道なのである。>

NPOエコシステム 「林野庁の林業暴走」
http://www.ecosys-jp.net/

この林道建設問題について、犬と一緒の登山を楽しんでいる方のエッセイがあります。

第43話 戦後林野行政の罪と罰
http://www5a.biglobe.ne.jp/~katsuaki/heta043.html

(前略)

こうした林野行政のありさまをみてくると、林野庁という役所は林道を造る役所であって、日本の自然環境や生物多様性を守る役所ではないことがよく見えてくる。

 現在の森林政策は、木材生産から生態系や生物多様性の保全をはじめとする森林の公益的機能の維持・拡大の時代に入っている。こうした状況の中で、林野庁、緑資源機構に国有林の管理を任せておいていいのかという声が大きくなるのは当然だろう。

 林野庁と森林開発公団は、巨額の負債を生んで日本の自然を荒廃させるという罪を犯して、いまだに罰を受けることなく、存続を図っている。たとえば02年度には、地球温暖化対策のための森林整備に今後10年で1兆2千億円を費やす必要があると試算し、その半分近い5000億円を林道建設費用に充てようとしている。

 しかし国有林が木材生産事業の対象から公益的機能の維持・拡大の時代に入ったということは、国有林が収益事業の対象から環境管理の対象に大きく転換したということにほかならない。ならば、一般会計から今後長期にわたって資金を繰り入れる、すなわち国民の税金で林野行政の失敗の穴埋めをする代わりに、国有林管理の環境省への移行、大規模林業圏構想の見直しなどを今からでも行なうべきではないだろうか。現在のままの林野庁には、森林の公益的機能の推進などはとても任せられない。

 日本の森をより豊かにして子孫に残すという環境重視の森林政策を実現するためには、林野庁を解体して必要な機能を環境省に移し、森林行政の一元化を実現することが必要ではないだろうか。

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by beachmollusc | 2009-06-21 07:59 | 評論