beachmollusc ひむかのハマグリ


海辺の浅瀬は水産動物のこども達のゆりかごです
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海辺の自然を取り戻そう
 自然の恵みを後世に残すためには、その生態と環境を深く、よく知ることが基本です。

 海岸の浅瀬、干潟や砂浜は資源生物のゆりかごです。
しかし、それにおかまいなしに埋立てや海岸構造物の建設、水質汚染も加わって、日本中の水辺、海辺の環境は撹乱され、破壊されてしまいました。その結果、ハマグリなど干潟の動植物の多くが絶滅危惧種となっています。

 このブログでは、主に砂浜環境の保全を念頭において、日本各地の山、川、海の姿を調べて見てまわったこと、
そして2006年5月に移住した日向市の海辺と里山の様子や生き物などを紹介します。

このブログにリンクを張ることはご自由にどうぞ。

    - 自己紹介 -

大学院博士課程修了後7年間の海外での研究と28年余り大学教員をしていました。

海の無脊椎動物(貝、ヒトデ、サンゴ、クラゲなど)が専門、自称の学位は Doctor of
Underwater Marine Biology
(DUMB:バカセ)

楽観的な悲観論者または悲観的な楽観論者:生態的に無理をしている人類の滅亡は近いだろうが、それも自然の摂理じゃないのかな

せっかちな慎重派:ゆっくり
見極めて急いで集中的に
お仕事します

好きなもの:日本蕎麦が一番、パスタ・スパゲッティ、うどんもよし、つまりメンクイです

嫌いなもの:人混み、投棄ゴミ、マスゴミ、脳衰官僚

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インドネシアのハマグリと貝合わせ

今年最後のブログとなり、何を書くかと考えていたら、とても面白い本を持っていることを思いだしました。

インド洋と西太平洋の熱帯産貝類の多くは、大航海時代以降に西洋人の収集家などが集めた標本がヨーロッパとアメリカの博物館に渡り、そこで多くの学者によって分類されて種名(学名)が決められました。

18世紀後半にスエーデンのリンネが、現代の生物分類学の基礎である種の命名法(属名と種の名前の組み合わせをラテン語で表記)を編み出し、その後の分類学で継承されて今日に至っています。

リンネは彼の時代に集まっていた世界中の生物標本のそれぞれに名前をつけ、貝類でもごく普通の物の多くはリンネが命名しています。1758年にリンネが記載したインド洋産のVenus Meretrixというものがハマグリ類の総元締めとなっています。

博物学標本を集めて研究する趣味は江戸時代後半の日本でも盛んだったようです。前に朝鮮濱栗について紹介した石寿の目八譜が出た1845年の同じ頃にイギリスの大英博物館収蔵の貝殻を調べていたGrayがチョウセンハマグリを新種として、フランスの大学者ラマルクにちなんだ学名Meretrix lamarckiiとして1853年に記載しました。

ハマグリの方は、それより古く、RödingがVenus lusoriaという学名を1798年に付けました。ところがリンネのVenusという属はラマルクによって1799年に細分化されて、その後ハマグリ類はMeretrix属に含まれ、現在のハマグリの学名はMeretrix lusoriaです。この学名は、日本で貝合わせに使われていた貝を見てgameという意味のlusoriaと命名された逸話は有名です。

持っていたはずのラテン語辞書が見つからないので注文していた辞書(廉いポケット辞書です、本格的な辞書は高価)がたった今配送されてきたので早速チェックしたら、
lusor: player; gambler; humorous writer; joker とありました。言葉の性による語尾変化まで学習していませんので、これ以上のことはわかりません。

さて、このハマグリの殻はどうやって日本からヨーロッパに渡ったのでしょうか。18世紀のオランダはインドネシアを植民地とし、鎖国中の日本とは長崎で通商関係にありましたから、入手と運搬ルートはいくらでもあったでしょう。貝殻を入手したオランダ人が誰で、貝合わせを見学したのは何時、どこであったかについてまだ追跡していません。

オランダの植民地であったインドネシア諸島の東の端にある香料諸島の中心地、アンボン(当時はアンボイナと呼ばれた)にドイツ生まれのRumphiusというナチュラリストが17世紀の末に、現地の植物と動物の標本を集めてヨーロッパに送り続けていました。彼がオランダ語で書いて1705年に出版したAmboinsche Rariteitkamer (Amboina Curiosity Cabinet) にはアンボン周辺の海産動物が種類ごとに文章と図で示されています。

この本は1992年にE. M. Beekmanによって英語に翻訳されて出版されました。その67頁にはStella Marina Quindecim Radiorum (fifteen-rayed sea star) が記述されています。毒のある棘を持つ、12から14本の腕を持った径10数センチの珍しいヒトデ類であることなどが詳細に書かれていて、その図はありませんが、オニヒトデであることが即座に分かります。オニヒトデの学名Acnathaster planciはリンネが命名したものですが、Rumphiusが提供した標本が元になって記載されたのかもしれません。

Amboina Curiosity Cabinetの第30章Chama Laevis (smooth clam or gaper)にはハマグリ型の二枚貝が記述されています。その筆頭にハマグリ類の一種が出ています。
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上の説明文と図解の中の(G)を見ると、日本のハマグリの「貝合わせ」について記述されていることが注目されます。アンボン周辺のハマグリの仲間は2,3インチで小さいが、日本(と中国、一緒にされています)の貝は手のひらの大きさがあり、内側に絵が描かれていてゲームに使われる、と詳細に書かれています。

Beekmanは、注釈で、この図の貝は(日本の)ハマグリMeretrix lusoriaだろうとしていますが、ハマグリには見えません。

このブログの筆者は、熱帯性海草も場の貝類調査で現地を訪問したことがあります。アンボンの町の周辺では海岸がほぼマングローブに覆われていて砂浜が乏しく、ハマグリ類は見ませんでした。Rumphiusの記述でも、これはアンボンには少なく、北に隣接するセラム島の北側の砂浜海岸で多く見られるとあります。

食べて味が良いこと、そして貝の中に寄生性のカクレガニが見られる(ガードしていると誤解しています)などRumphiusは具体的に自分が観察した詳細を書いているらしいので、図解された貝はBeekmanが推量した日本のハマグリではなく、現地産の別種のハマグリ類(種名はわからない)でしょう。Rumphiusが日本のハマグリの殻を手元に持っていたと考えるよりも、現地産の種を参照して執筆していたと考える方が自然です。

この本の中のハマグリ類の正体はともかく、リンネ以前の18世紀はじめの時代に日本のハマグリの貝合わせに関する詳細な情報が(オランダ経由で?)西欧に知られていたことは注目されてよいと思います。

300年も前に描かれたRumphiusのアンボン産貝類の線画は、それぞれの種の形態的な特徴がかなり簡略化されていますが、種の査定に困るようなものはあまり見かけません。

A: ヒレジャコ, B: シラナミ, C: シャゴウ, D: アラスジケマンガイ, E: リュウキュウアオイ, F: トゲナミノコガイ, H: シレナシジミ, K: マルオミナエシ 、以上の8つは査定された学名のままでよいでしょう(学名に相当する和名を付記しました)。

I: Mactra grandis (バカガイ属のインドタママキ) ?の学名が付けられた貝は、その形態的特徴からオオヒシガイであろうと思われます。
 
古いファイルを探してアンボンの写真を見つけ出したので、貼っておきます。訪れたのは1993年でした。
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現代の日本文化を世界に伝えるネット情報の中で、俳句と達磨と日本食の伝統についてきめ細かに紹介している面白いブログを見つけました。

WASHOKU - Japanese Food Culture and Cuisine
Japanese Food throughout the Seasons - Regional Japanese Food Culture !
and
HAIKU to go with it !
Anthropology Notes about Traditional Japanese Food
Japanisches Essen, Japanische Küche . . . . . Washoku Saijiki

達磨博物館のGabriele Greve博士の俳句と和食歳時記のブログです。

その中にハマグリの項があって、日向市の碁石の話、黒木碁石店のサイトの日本語説明文が英語に翻訳されていました(元サイトとのリンクが切れています!)
http://washokufood.blogspot.com/2008/07/hamaguri.html

このブログの貝合わせの画像がとても良いので、リンク表示でなく、ここに貼らせてもらいます。
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by beachmollusc | 2009-12-31 14:10 | Meretrix ハマグリ

山口県萩市のハマグリ

日本海産ハマグリ類の情報とサンプルを求めてネットサーフィンを楽しんでいましたが、時折思いがけないサイトに迷い込みます。

萩の博物館内の「いきもの研究室」のブログには海岸に打上げられた貝殻のNPO市民グループによる調査がありました。そこで、そのリーダーで学芸員の掘さんにメールを出してみたら、西ノ浜海岸に打上げられていたハマグリ類の殻を送っていただきました。
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矢印を付けたチョウセンハマグリの稚貝には、二枚の殻をつなげる貝殻のヒンジが残っていましたので、これだけは割合最近まで生きていたものです。しかし、他の貝殻は殻の表面を覆う硬タンパク質の皮膜が消えているので、死んでからの時間が相当長いと考えられます。

萩市の西を流れる橋本川にハマグリが生息していたことは間違いないと思いますが、今でも残っているかどうか、怪しそうです。チョウセンハマグリは外海に面した西ノ浜に生息しているようです。

この博物館では、なんと、萩城内でヒメボタルの観察会の催しもやっていました。そのチラシのファイルです。
http://www.city.hagi.lg.jp/hagihaku/hagihaku_kouza/rikusei.pdf

ナミノコガイのサンプル採集で訪れたことがある萩市の菊ヶ浜は松林が美しく、萩城は大変美しい城です。
昔の調査写真があったはずですがデスクトップ検索で出てこないので紹介できません(後で追加)。

菊ヶ浜の松林は、松の生理生態にマッチした疎林になっていて、ゆったりと松の木陰を散策できます。足元には砂の上に松葉が落ちていますが、余計な草木はほとんどなく、地元の人たちが正しく手入れしていることが分かりました。小倉ヶ浜でも塩見川河口のすぐ南のごく一部にそのような場所がありますが、大部分は植えっぱなしで、雑草を下草にしたジャングルになっている、松のストレス状態が見て取れます(木を植えることだけで満足している人たちが多いのでしょう:ふれあいの森という看板が泣いています)。

<萩市は、博物館の運営を市職員と、市民の有志からなるNPOとの連携でおこなうという画期的な方法に挑んでいます。>

NPO萩まちじゅう博物館の海洋班の皆さんが、「マンタの海流大冒険」展の展示物の製作作業をやっている記事を見ました。海岸で拾い集めた1800個の貝殻を大きな暖簾に組み立てて展示の背景にしていました。
hagihaku.exblog.jp の中で「いきもの研究室より」のカテゴリーで見てください。

宮崎市の「ひむかの砂浜復元ネットワーク」の皆さんも砂浜海岸に打上げられる貝殻の調査を続けています。打上げられた貝殻は、その近辺の海の中の様子を物語っているので、このような市民グループの継続的な活動で得られた試料を分析することは有意義です。また、副産物の装飾品としての利用も楽しめるでしょう。貝殻を集めて個人的にお宝にしてしまいこむだけでなく、このような楽しみ方をする人が増えることを期待しています。
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by beachmollusc | 2009-12-30 10:08 | Meretrix ハマグリ

ハマグリとチョウセンハマグリの殻の差異

日本海のハマグリについてその特徴を記述する前にハマグリとチョウセンハマグリの差異についてまとめておく必要を感じました。その原稿の初稿が出来たところですが、英語で書いていますので、読者層が専門家に限定されます。日本の一般読者向けに説明することも重要なので、このブログで簡略化して(今回の論文の趣旨は伏せたまま)説明しておきましょう。

ハマグリとチョウセンハマグリは共に成長に伴って殻の形態を変化させます。殻の輪郭の形で分類の識別イメージを作ると、成長段階で変化することを無視した場合に混乱します。博物館に収蔵された標本のなかに両種の誤査定がかなりあるのは、図鑑で見るような大きく成長した殻をイメージして絵合わせしたからでしょう。

両種がもっとも違って見えるのは、皮肉なことにごく小さい稚貝の時です。「稚貝が違います」という、誰かが大好きなフレーズです。そして成熟する前の大きさに育つと互いに似てきます。さらに大きく育ったものは同じ大きさで比べると良く似ていますので、特に大きいものだけ比較した矢倉は2種を同一種の変異とみなしたわけです。

大きさに無関係に、2種の間で明白に違っているのは殻の内側で外套膜と閉殻筋が殻の表面に付着した位置にできる痕跡です。套線湾入と呼ばれている切れ込み部分が違っています。これは大きさにほぼ無関係になっているのでdiagnostic、つまり識別のポイントとなります。このことは過去に出版された図鑑で明記されていますので新しい発見ではありません(それだけなら論文にならない)。

文章では分かりにくいことも図解すれば明白です。

ほぼ同じ大きさの、共に未成貝で同じ系統の色彩型(地肌は白、お尻が黒くて縦にギザギザの2本の帯)のものを2種間で比較してみましょう。この二つは、小倉ヶ浜の砂浜で、ほぼ同じ場所で、今年の11月15日に死殻として打ち上げられていたものです。ハマグリは塩見川と赤岩川の河口近くに生息しているようです。
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殻の腹縁のカーブもかなり違います(ハマグリの方がより丸い)が、単独の標本を査定する場合に比較対象が無いと、識別を誤るほどの個体変異が共にあります。しかし套線湾入は明白に違うので、大きく切れ込んだらチョウセンハマグリMeretrix lamarckii(下の列、右)、閉殻筋の内側の付着痕とほぼ同じようなパターンであればハマグリMeretrix lusoria(上の列、右)です。

この差異が何を意味するかは論文に書きましたが、出版までの秘密ですので、質問されてもここでは回答しません。

上の例とは異なる色彩模様のハマグリとチョウセンハマグリの殻も見てもらいましょう。
下の4個はすべて小倉ヶ浜の同じ砂浜に打ち上げられていたものです(10月から11月)。
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2種の識別を殻の外側表面だけで査定することは、この大きさでは極めて難しいことが分かってもらえるでしょうか。(ただし、見慣れてくると、チラッと見ただけで区別できるのは、人間の眼の識別能力のすごさです)
正解は左の列がハマグリ、右の列がチョウセンハマグリです。
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by beachmollusc | 2009-12-27 20:49 | Meretrix ハマグリ

GIビーチの変化

小倉ヶ浜の最北端、塩見川の河口の北側に位置する海岸ですが、満潮線が変化しています。今日の午後2時ごろ、丁度満潮の時間に見てきました。

満潮線が陸側に大きく入り込んでいて、岩山の洞窟の正面にある岩が波に洗われていました。
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過去の状態と比べるために以前撮影した画像を探しましたが、干潮の時に潮が引いて露出した砂の上で撮影していたため、同じアングルで撮った写真が残っていません。
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4月と7月の写真では、洞窟の前が平坦な広い砂浜となっていました。

塩見川の水位も平常より高くなっているし、地盤が少し沈んでいるような気がしてなりません。
もしかしたら、大地震が来る前触れか?

塩見川の河口にはシラスウナギ獲りのためのテント小屋が出来ていますが、この冬の漁はどうなっているのでしょうか。
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by beachmollusc | 2009-12-27 18:48 | 海岸

光るサナギ

木製フェンスの陰に黒いサナギが付いているのを見かけたので、顔を近づけてよく見たら、キラキラとエメラルドグリーンに光っていました。5個2列で計10個の光る突起があります。
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わりと小さめなのでアゲハ類ではなさそうです。
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発光しているかと思ったら、実際は反射光のようです。屋外で撮影が難しいので部屋の中に持ってきて撮影しました。
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ネット情報を調べてみたら、ツマグロヒョウモンの蛹であることがわかりました。

キラキラ光るのはいったい何の効果があるのでしょうか。

研究テーマ 「高森町で15年前見られなかったツマグロヒョウモン(蝶)が、このごろ見られるようになったのはどうしてか」
長野県高森町立高森南小学校5年2組 研究報告 平成19年1月20日
http://www.sbc21.co.jp/enterprises/shorei/2006/06.pdf

下のような観察結果を報告しています。

④さなぎの色について

さなぎにはいろいろな色があることに気づき、そのちがいを調べてみることにしました。ふたの部分が黒い虫かごのさなぎは黒っぽく、その他の虫かごのさなぎは明るい茶色のような色をしたものが多い気がしたので、実験してみることにしました。

1つの虫かごは周りを黒い色紙で囲み、もうひとつの虫かごは黄色い色紙で囲み、中に4ひきずつ幼虫を入れてさなぎになるのを待ちました。その結果、4ひきの中には多少色のちがいはあるものの、黒い色紙をまいた方は黒っぽいさなぎになり、黄色い色紙をまいた方はオレンジ色っぽいさなぎになっていました。

さなぎは動き回ることができない分、敵に見つからないようになるべく周りの色と同じような色になっているんじゃないかと考えました。


すばらしい実験観察です。指導した先生は生徒を誇りに思っているでしょう。

隠蔽色の蛹がキラキラ光って存在を誇示することはものすごく矛盾していることに気づいたら、もっと素敵でした。
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by beachmollusc | 2009-12-26 17:15 | 蛾と蝶

ハマグリの殻の斑紋

今年出版された「肥後ハマグリの資源管理とブランド化」(内野明徳 編:熊本大学政創研叢書6, 成文堂、237頁)の中で、熊本大学の逸見さんが「第4章 ハマグリの生物学」を執筆されています。

ハマグリの殻に現れる斑紋について、この章では有明海の白川産と福岡県の加布里産のハマグリ集団について斑紋の出現率を比較しました。その結果、同じハマグリでも日本海と有明海で色彩模様の出現頻度が大きく違っていることがわかります(殻の形態にも有明海と日本海集団間で差異が認められます)。

分子集団遺伝学的な検討結果で両者は同一種のハマグリであることが確認されていますので、地理的に分かれている遺伝的に分化した集団というわけです。

殻の形態測定値でシナハマグリ、チョウセンハマグリ、そしてハマグリの3種の識別を試みても、異なる集団間でのバラツキ、同じ集団の中の個体によるバラツキが共に激しいためにデータポイントが重なり合う部分が大きく、さらに成長に伴った変化があるので、簡単ではありません。これについては別稿で詳しく説明します。

ハマグリ類の色彩と斑紋は極めて多様性に富んでいます。また、それはシナハマグリ、チョウセンハマグリ、そしてハマグリの3種の間に共通するものが多く見られます。つまり、色彩による種の判別もできません。ただし、種によって他種に見られない色彩型もありますので、それが出ている個体があれば識別できます。

ハマグリの色彩型には基本的に3つに分かれる地色とそれに上塗りされる複数の模様があります。これを最初に記載した論文は1937年に日本貝類学雑誌(ヴィーナス)に発表された天野景従:ハマグリMeretrix meretrix (Linné) 殻の斑紋の考察、VENUS 7(3), 151-158. でした。

天野が推察したように、ハマグリを含む二枚貝類の殻に現れている斑紋は遺伝形質のようです。異なる色彩の両親を選んで交配実験した結果はハマグリ類ではまだ発表されていませんが、アサリなど他の二枚貝類で実験的に検討された結果や自分で行ったナミノコガイ類の交配実験(未発表)で確かめられています。

多型の遺伝形質の遺伝様式が解明できれば、集団遺伝解析(遺伝子頻度、組成の集団間の比較)に使えるはずです。二枚貝のDNA情報はいまだに極めて乏しくて、カキ類やイガイ類を除けば無きに等しい有様ですので、殻を見るだけで遺伝子の発現状態を読めることは、研究を進めるための強力な武器となります。

天野の斑紋型の類型(変異)は実に細かに分類されています(下の図)。
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はじめに紹介した熊本大学の逸見教授は、吉田裕(1953)に準拠して熊本(有明海)と福岡(日本海)のハマグリを比較しています。その結果が表で示されているため、読み取りにくいのですが、簡単に言えば、ハマグリの日本海集団では殻の上に点々の模様が出る褐色の地色の個体が多数を占め、有明海では白地に複雑な模様が出る個体が多数となっていること、そして全体が濃い茶色(栗色)の個体が出る率は共に低い(白川32/265、約12.1%:加布里14/249、約5.6%)が、日本海側でより低い、といった差異が出ています。

吉田裕(1953) 浅海産有用二枚貝の稚仔の研究 水産大学校研究報告 3巻1号、1-106.
http://www.fish-u.ac.jp/kenkyu/sangakukou/kenkyuhoukoku/03/03-1-1.pdf

天野が調べた伊勢湾産ハマグリのデータでは、全体をまとめて栗色の個体の出現頻度が291/2751 で約10.6%です。また、吉田が記録した栗色個体の出現率は、羽田:5/265, 乙島:2/192,八代:6/54でした。

自分で集めた各地のサンプルでは、この栗色個体(まさに浜栗)の出現率は1割前後が多いのですが、日本海では極めて低い傾向が見られます。

柏崎産のハマグリは、調査を始めた当初は出てこないと思っていたものが、後でわずかに見つかっていますので、出現率は1%以下のレベルでした。シナハマグリでもこの色彩型は極めて低い出現率です。

チョウセンハマグリについては、栗色の出現率は鹿島灘では1%程度ですが他の海域では10%程度です。(益田のチョウセンハマグリではこの色彩の個体が大変目立っています)。

まだデータ整理が終わっていないので、ここでは詳しい説明を省きますが、色彩型の地理集団間の差異は分子集団遺伝の結果と似たような傾向を示しているような気がします。

ホームページ(左のコラムの中にリンクURL)の方では、以前からハマグリの色彩型について写真で説明していますので、そちらも参照願います。

日本の貝類養殖についてGHQから出されたレポートにあったハマグリの殻の色彩型分類を引用しておきます。(実用的には、この程度の類型化が使いやすいでしょう)
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(Cahn, A. R. 1951, Clam culture in Japan, Natural Resources Section, General Headquarters, Supreme Commander for the Allied Powers, Report 146, 103 pp.)
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by beachmollusc | 2009-12-24 12:53 | Meretrix ハマグリ

島根県益田市の中須海岸

島根県益田市のNPO法人「アンダンテ21」による「ハマグリのささやきプロジェクト」は今年度からはじまり、日本財団や地元行政の支援を受けて活動中です。
http://nippon.zaidan.info/jigyo/2009/0000065992/jigyo_info.html

このNPOのホームページなどから、これまでの活動の様子がよくわかります。
http://blog.canpan.info/npo-andante21/
http://www.group.iwami.or.jp/andante21/
2009年8月23日(日)に益田市中須海岸にてハマグリ稚貝調査を行い、12月5日にハマグリシンポジウムを開催しています。そのチラシのファイルは前にも紹介しましたが、再度URLを示します:
http://blog.canpan.info/npo-andante21/img/25/hamaguri-sinpo1.pdf

2003年9月に砂浜海岸の貝類調査のため益田市を訪れた時はあいにくの時化で、海岸の打上げ殻を採集しただけでした。その際に事前に連絡を取っていたので、現地の漁業者の皆さんや漁協の事業部長さんなどとお話しして情報交換しました。それは益田市漁協が地元で獲れる(チョウセン)ハマグリを特産品化に乗り出す、という新聞記事(山陰中央新報、2003年9月4日)があったからです。

中須海岸(大塚海岸)の現地の様子を見たのはわずかな時間だけ、それも波打ち際を約1時間歩いただけで、チョウセンハマグリ資源の様子を知る手がかりは、打ち上げ殻しかありませんでした。その結果は、蝶番が付いて左右両方の殻が揃っていた(死んで間もない)ものは1個だけ、そして大小の古い死殻(ハンペラ)が見つかりました。フレッシュな稚貝の死殻がたくさん打ちあがっている海岸はすぐ沖合いで貝が盛んに繁殖・成長している証拠になりますが、そのような様子は見えませんでした。

この砂浜海岸は、高津川という支流も含めてダムがない全国唯一の1級河川で、調査された範囲で水質が全国一良いという結果が出ています。益田市の市長さんのブログでも、これを大変誇りにしている様子がわかります。益田市の現市長はアンダンテ21の会員であり、ハマグリシンポジウムでも討論の環の中心でした。地元の環境保全と特産品の育成に熱心な市長さんのようですが、宮崎県北部にあるハマグリが自慢の某市の市長さんはぜひこれを見習って欲しいところです。

山陰中央新報の'09/06/05記事:「益田のハマグリが復活の兆し」を見てください。

 かつて絶滅の危機にひんした益田市特産のハマグリが、復活しつつある。20年前にほぼ皆無だった漁獲量は、2008年度に12トンまで回復。小さな貝を採らないよう、厳しい漁獲基準を設けて資源保護に傾注した地元漁師らの努力が実り、漁場をよみがえらせた。

 益田産のハマグリはチョウセンハマグリで、清流日本一の高津川と、益田川の両河口に挟まれた遠浅の中須海岸に生息。1950年代ごろまで漁が盛んだったが、河川環境の悪化などで漁獲量は激減。記録が残る89年度には、わずか2キロしか水揚げされなかった。

 その後、河川の水質改善が進み、2000年度には1・9トン(販売高207万円)まで回復。07年度には5・4トン(同830万円)、08年度は12・4トン(同1800万円)と、漁獲量、販売額ともに急伸している。

 漁獲量回復の背景には、手厚い資源保護策がある。漁に携わる漁師12人は、乱獲しないよう操業時間を1日2―5時間とし、箱眼鏡で海底をのぞき1個ずつ採る伝統漁法に限定。さらに水揚げサイズも「3センチ以上」という県の漁業調整規則より厳しい「7センチ以上」に設定している。

 また、08年度に「益田ハマグリの会」を結成。海岸清掃や、密漁を監視するパトロールを実施し、貝や環境を守っている。

 60年前からハマグリ漁を続ける同会の山本均会長(77)は「貝が増えてうれしい。漁場を守りたい」と意気込んでいる。


益田のチョウセンハマグリは自主規制で殻長の大きさの下限を7センチ(日向灘では6センチ!)としていることから、成長率が日向灘などと同様と仮定して、2008年に漁獲されたハマグリが産まれたのは7~8年以上も前です。つまり、今世紀のはじめ頃に生まれた子どもの貝が生き残って大きく育ったものを今収穫しているのです。その後に続いて育っている貝が十分あればハマグリ漁は持続しますが、もしも一時的に生き残こり率が高かった年のものだけが育っているのであれば、漁がジリ貧に陥る恐れもあります(水産資源では年級群の大きな変動は普通に見られます)。

今年のアンダンテ21によるハマグリ稚貝の市民調査の結果を詳しく分析する必要がありますが、稚貝は発見されているものの、その個体密度はかなり低かったようです。(ただし、稚貝は集中分布する傾向があるので、多い場所が見つからなかったということも考えられます)。

日本海と太平洋では潮汐の干満差などの環境条件に大きな違いがありますので、鹿島灘、九十九里浜、日向灘などで得られているチョウセンハマグリの資源生物学的な情報を直接当てはめることは難しいと思われます。ただし、チョウセンハマグリの基本的な生態・行動が海域に関係なく同じであるとすれば、稚貝はごく浅い場所で育ってから、成熟した個体が沖合いに移動するでしょう。

益田で漁業者が獲っている貝が棲んでいる場所は、日向市の小倉ヶ浜などと同じ、遠浅の砂浜のサンドバー(波が砕けるゾーン)の沖側だろうと思われます。そこで生み出された卵が海中で受精し、孵化した浮遊幼生が2週間程度流動して海底に定着し、初期稚貝(最初は0.2ミリの大きさ)になるはずです。アンダンテ21の稚貝調査で見つかった小さい方の2から4ミリの稚貝は生後満1年と考えられます。

益田市の海岸ではこれから毎年調査が続けられますので、その結果を積み上げて詳しく分析すれば資源の現状と今後の動向がある程度把握できるはずです。市民調査に触発されて県の水産試験場が調査に乗り出すようですので、これから有用な情報が増えると思われます。宮崎県、日向市でも見習うと良いかもしれません。

チョウセンハマグリ資源をはぐくむ益田市の中須海岸の砂浜環境がどのように変化してきたかを空中写真で調べてみました。日向市と同様に今世紀に入ってから撮影された空中写真がほとんど無いのが残念ですが、ヤフーの地図・写真を見ると年月日は示されていないものの割と新しい空中写真がありました(グーグルマップとアースは古くてダメ)。
http://map.yahoo.co.jp/pl?type=scroll&lat=34.69895629511957&lon=131.83158094808863&z=16&mode=aero&pointer=on&datum=wgs&fa=ks&home=on&hlat=34.687911966838&hlon=131.82673151419&layout=&ei=utf-8&p=

国土地理院の閲覧サービスで公開された1976年と海上保安庁の1999年の空中写真をダウンロードして中須海岸(西の高津川河口と東の益田川河口の間)をみることが出来ます。
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1976年から1999年の23年間の海岸周辺では、マクロにはそれほど目立った変化は認められません。1999年の写真は12月の撮影で海が荒れていた時のもので、波打ち際が岸に寄っています。また、沖の方で波が砕けている白い帯の下には海底で砂が盛り上がったサンドバーがあります。

高津川の河口は、導流堤が無かった時代には沖から寄せる波に寄せられた砂で閉塞状態でした。導流堤が出来てから半世紀近くなっていますが、沿岸漂砂で堤防の陰に砂が堆積する状態になっていないことが面白い発見です。(益田川の方は導流堤が小規模であり、河口閉塞が続いている)

河口閉塞や、砂洲で取り込まれた潟(高津川の河口西側に出来ている)の存在は、沖から岸に向けて波浪で砂が盛んに運び込まれていることを示しているようです。(つまり、堆積環境にある:チョウセンハマグリ資源が残っている場所の共通点)

高津川には支流も含めてダムが無いということから、陸から海へ運ばれている土砂がブロックされていない、ということになります。砂防ダムがあるかも知れませんが、川の上流で足止めされている砂の量が少ないことは海岸侵食の要因とはならず、むしろ砂浜の堆積を促進しているはずです。

国土変遷アーカイブの空中写真はダウンロードできませんが、米軍が1947年に撮影した写真をはじめ、1964年や2002年の写真などをオンラインで見ることが出来ます。

これらの写真から、二つの重要な環境保全問題が読み取れます。砂浜の侵食と海岸林の松枯れです。同様なことが日本中で起こっているのですが、益田市でもメカニズムの事実認識と環境保全の対応策を誤っていると考えられます。

まず侵食問題ですが、米軍写真を見ると、その後の海岸林の砂浜上への拡大植林で、乾いている部分の砂浜の幅が狭くなって、侵食とあわせてほぼ半減しています。

半世紀前の中須は、広々とした遠浅の砂浜海岸であって、ハマグリも外の水産資源も豊富だったものと想像できます。かつては地引網もできたのではないでしょうか。今後はできるだけ、砂浜を元の自然状態に戻せるように考えるべきでしょう。

1999年の写真とアーカイブの2002年写真、そしてヤフーの写真を見比べると、最近になって侵食が激化しているのは海岸に人工構造物:コンクリートを大規模に設置しているからのようです。典型的なニュージャージー化現象:砂浜海岸にコンクリート護岸を建設することで、護岸に波浪が当たり砂浜が失われる現象が進行中と思われます。景観を損ねて自然環境を台無しにする馬鹿げた事業です。

砂浜侵食をもたらす要因は色々ありますので、それぞれをネット情報をもとに検討してみました。

1 地盤の変動(海面・海水準の変動):地盤が沈んで海水面が上昇すれば侵食が進む

気象庁サイトで海水面の変動をグラフで見ました。日本列島沿岸の年平均潮位=グラフ 海域Ⅷ
http://cais.gsi.go.jp/cmdc/center/graph/kaiiki8.html#hamada
浜田港の海水面の記録、年平均値は過去20年で10センチ上昇していますが、益田でも同様であれば、これは砂浜の水平方向に換算して10m程度の幅の減少となるでしょう(遠浅海岸の1:100くらいの勾配を仮定して)。

2 沿岸、沖合いでの海砂の採取:西日本各地で深刻な問題となり、鹿児島、長崎、福岡などで侵食をもたらし、チョウセンハマグリが消滅した海岸が多い(福岡、野北海岸で消滅したチョウセンハマグリなど)

島根県の骨材資源 (須藤定久 産業技術総合研究所)
staff.aist.go.jp/sudo-gsj/kotsuzai14y2/kotsu14y2-4.html
益田市を含む島根県では海砂採取は公式にはほとんど行われなかったようですが、違法採取が行われた可能性が考えられます。(実情は現地の漁民が知っているはず)

3 砂浜における拡大植林: 砂浜の奥行きを減少させ、飛砂による砂丘形成(嵐による一時的な侵食を和らげるリザーブ)を阻害する結果、ビーチサイクルで砂が岸と沖との間で循環することを止め、砂浜の傾斜を強める悪循環をもたらす(全国的にこれが行われ、宮崎市の砂浜海岸の消失ではこれが主役となっている) 

空中写真で判読できるかぎり、中須海岸の砂浜上、海側への海岸林の拡大はそれほど大きな規模ではありません。しかし、これも砂浜を狭めて砂丘部分の前面を固定したので、ビーチサイクルを阻害しているようです。また、海岸林の海側に護岸を造っていれば(空中写真で判定が難しい)、さらに悪化するはずです。

この拡大植林された松林はマツクイムシの被害でほぼ丸坊主になった様子が写真でよく見えます。これをチャンスとして、松の植えられていた部分を砂浜・砂丘に戻せばビーチサイクルが復活したかもしれません。しかし、残念ながら、益田市は松の再植林に力を入れました。

島根県西部農林振興センター 益田事務所 益田森林・林業普及情報
中須の浜”植林大作戦”について 2005年11月10日
http://blog.goo.ne.jp/f-masuda_001/e/4d9629017ff47885cb1440c93bccde65
益田市中須海岸でマツ植栽1万本達成!! 2007年03月31日
http://blog.goo.ne.jp/f-masuda_001/e/e2b3e5200382dbb03993f852f79bf8b3

この海岸林には松が拡大植栽されているゾーンの陸地側に昔からしっかりした防潮林があります。その樹種は写真ではわかりませんが、松が主体ではないかもしれません。マツクイムシ対策で抵抗性のクロマツを植栽しているようですが、もし対策事業で薬剤を海岸に散布しているとしたら沿岸の水産資源に悪影響が出るおそれもあります(小倉ヶ浜の砂浜で稚魚の餌になるアミ類などの小型甲殻類が壊滅状態ですが、薬剤散布の影響が疑われます)。

松の植林にしても、当事者は良いことをしているつもりの公共事業でしょうが、海岸防災機能(波浪の力を減衰させる砂浜の十分な広さを維持する)や水産資源の生息環境の保全も一緒に考えて総合的に判断して行う必要があります。現状では、松林を防護するつもりかもしれませんが、砂浜の上にものすごい勢いでコンクリート構造物の建設が進められていて、これの影響が出てくると砂浜の消失、さらにハマグリ資源、沿岸水産資源の衰退に直結するのではないかと心配です。海岸、砂浜のダイナミズムと生態的な仕組みを理解しないで、現地の環境にそぐわないマニュアルを基にした植林と、土建化で砂浜海岸の環境破壊・砂浜消失を進めてしまう愚かさに早く気づかねばなりません。
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by beachmollusc | 2009-12-23 10:32 | Meretrix ハマグリ

コブハクチョウトリオがツーペアになっている

シンガポールの貝類収集家とハマグリ類の殻の交換の約束ができたので小倉ヶ浜のチョウセンハマグリの殻を送り出すため、日向市の中央郵便局に出かけました。

帰り道の塩見川沿いを走っていたらコブハクチョウの姿が見えたので、車を止めてチェックしました。

土手から声をかけたらそばに寄って来ましたが、皆で4羽になっています。
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ミッキーと土手を散歩しながら観察していると、1羽が他の3羽と離れていたり、2羽ずつがペアを組んだりしていました。上流でシジミをジョレンで採っているせいか、コアマモが水面を流れています。それを盛んに食べているようでした。

増えた1羽はどこからやってきたのか、連れてこられたのか、わかりません。しかし、これでオスとメスの2番が出来たのなら、めでたいことです。塩見川には海に近い河口付近には洲が出来ていますが、上流は両方の岸がコンクリートで固められた急傾斜の土手なのでハクチョウが夜に休息したり、巣を作って繁殖する場所がありません。富高川も似たような環境ですが、上流の橋の下に泥洲が出来ています。繁殖期まで残って、どこかで卵を産んでくれるかどうか、これから先も見守ることにします。
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by beachmollusc | 2009-12-21 11:19

神社のしめ縄つくり

今年も恒例の年度末行事のしめ縄交換が小原の天神様で行われました。

朝8時に集合して集落内を通る中央道路の草刈とゴミ拾いを済ませました。その時、サルナシ採り仲間で大工の黒田さんが妙なものを見つけました。ヨモギに変なデキモノのようなものが付いています。
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虫こぶかもしれないと思い、割って中を見ても、よくわかりません。種のようなモノが中にあります。
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道路の草刈・清掃が終わり、いよいよしめ縄つくりですが、藁の準備の間に近くの家にあると聞いていたシマサルナシ(地元ではヤマナシと呼ばれている)を見てきました。
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庭の一角にキウイフルーツと並べて栽培されています。丸い実は丁度食べ頃になっていたので少し分けてもらいました。これが元々生えていた場所も、いつごろ植えたのかも記憶に無いそうです。
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残念ながら甘さも酸味も乏しい実で、片岡研究室に送る価値ナシと判断しました。

しめ縄つくりはベテランたちが先に下げ飾りを造っていました。
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杉の木の枝にかけられたしめ縄は、藁を追加され、掛け声にあわせてドンドン長くなっています。
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出来た荒縄のケバケバを散髪中。
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神社で古いしめ縄と交換されました。飾りの大きさと並び方が不ぞろいになりましたが、リーダーは「また来年の課題」とすまし顔です。1年に1回だけの作業ですから、飾る手順も怪しくなっていました。
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丁度お昼にようやく出来上がり。
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取替え前の写真(下)と比べると、今年の出来はかなり劣っているようです。
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by beachmollusc | 2009-12-20 18:46 | 日記

日田尾のシマサルナシ

今日の午前中、黒木巌さんが新しく発見したシマサルナシの検分に出かけました。

黒木さんの家から出て、広域農道で田ノ原の生産者直販の店に立ち寄ったら、シマサルナシが販売されていました。その一つは黒木さんの所で栽培されていた株から分家したものだそうです。
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もう一つは野生株の実を誰かが採取したものでした。1キロ500円のお値段です。

今日の調査場所は、以前、香川大学の片岡教授と一緒に調べた乙羽山の北にある、東郷町の日田尾の山中です。

標高は200未満で、起伏が激しい山中に、パイロット事業で建設された立派な舗装道路が張り巡らされていて、その周りの一面に放棄された耕作地の中に、わずかな農地が見られるところです。
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シマサルナシの成育している場所は私有地なので、黒木さんが地主に了解をもらって入りました。

ジャングル状態の山の中にシマサルナシの群生地がありましたが、乙羽山と同じく農地の中にも大きな株があります。片岡研で検査したら、調べた中でその実が一番食味が良いという結果が出ていた株から完熟状態の実を採りに行ったところ、すでに誰かがお仕事していました。

このシマサルナシの幹も茎も太くて立派なものです。
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取り付かれた木が押し倒されてしまうのが時間の問題のように見えました。
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よく見たら天辺のところにわずかな取り残しがありました。そこで、木登りが始まりました。
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天辺近くは支えの木が細くて危険ですので、わずかな数の実を採集しておしまい。

ジャングル状態の場所では杉の大木の数十メートルの梢まで登っているシマサルナシが見えます。
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これは登って採ることが出来ません。

谷間にあった実が小さいけれどもものすごい数が付いていた株を見せてもらいました。
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これはまだ熟しておらず、葉も残っていました。実が小さすぎて食べるよりも飾り物にした方がよさそうです。

この株はこれまで見てきたシマサルナシの野性株とはかなり違っているので、検査してもらうために香川大学宛に送りました。
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by beachmollusc | 2009-12-19 21:07 | サルナシとマタタビ