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beachmollusc ひむかのハマグリ


海辺の浅瀬は水産動物のこども達のゆりかごです
by beachmollusc
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海辺の自然を取り戻そう
 自然の恵みを後世に残すためには、その生態と環境を深く、よく知ることが基本です。

 海岸の浅瀬、干潟や砂浜は資源生物のゆりかごです。
しかし、それにおかまいなしに埋立てや海岸構造物の建設、水質汚染も加わって、日本中の水辺、海辺の環境は撹乱され、破壊されてしまいました。その結果、ハマグリなど干潟の動植物の多くが絶滅危惧種となっています。

 このブログでは、主に砂浜環境の保全を念頭において、日本各地の山、川、海の姿を調べて見てまわったこと、
そして2006年5月に移住した日向市の海辺と里山の様子や生き物などを紹介します。

このブログにリンクを張ることはご自由にどうぞ。

    - 自己紹介 -

大学院博士課程修了後7年間の海外での研究と28年余り大学教員をしていました。

海の無脊椎動物(貝、ヒトデ、サンゴ、クラゲなど)が専門、自称の学位は Doctor of
Underwater Marine Biology
(DUMB:バカセ)

楽観的な悲観論者または悲観的な楽観論者:生態的に無理をしている人類の滅亡は近いだろうが、それも自然の摂理じゃないのかな

せっかちな慎重派:ゆっくり
見極めて急いで集中的に
お仕事します

好きなもの:日本蕎麦が一番、パスタ・スパゲッティ、うどんもよし、つまりメンクイです

嫌いなもの:人混み、投棄ゴミ、マスゴミ、脳衰官僚

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Incurable oyster herpes カキのヘルペス症

ヘルペスウイルスの仲間は淡水と海水中に常在し、その中に悪性のものが含まれています。

コイヘルペス症が発生して鯉が殺処分になることがいまだに続いています。ニュースとして鳥インフルエンザや口蹄疫のように騒がれませんが、本質的に同様な現象です。

毎日新聞 2010年12月22日 地方版
ニシキゴイ:中国、輸入解禁打診 厳しい検疫条件に 有望市場、業者は苦慮 /新潟
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20101222ddlk15020086000c.html

コイヘルペスウイルス病に関する情報  新潟県ホーム 農林水産業
①コイヘルペスウイルス(KHV)病とは
・ コイヘルペスウイルスにより発症するコイ(マゴイ、ニシキゴイ)特有の病気で、コイ以外の魚には感染しません。
・ 人に感染することはありません。
・ 感染したコイを食べても、人体には全く影響ありません。
②本県の発生状況
・ 平成20年は、5市11件(16尾)について、KHV病が確認されました。
・ 平成21年は、7市町15件(35尾)について、KHV病が確認されました。
・ 平成22年は、3市4件(10尾)について、KHV病が確認されています。(10月22日現在)

http://www.pref.niigata.lg.jp/suisan/1215457295621.html

ウイルスによる感染症がそれに感受性が高い動物の密集した集団に広がると、治療ができないのでウイルスを消滅させるためにホストも一緒に抹殺ですから、水産養殖でもっとも恐ろしい問題です。少し前に真珠養殖のアコヤガイが大量死した問題もこの仲間のウイルスが関連していたようです。(別の海面養殖でホルマリンを海に流していたことが原因として騒がれていましたが、その汚染ストレスがウイルスに対する感受性を高めた、あるいは抵抗力を失った、のかもしれません)

野生の魚貝類でもヘルペスウイルス感染で大量死が起こっていることが知られています。南オーストラリアでマグロの生簀養殖の餌として漁獲されていたイワシの仲間が大量死した事件が1995、1998年の2回起こっています。これは「海に異変」というタイトルで前に書いた文章をブログ(本年8月31日)に掲載してあります。
http://beachmollu.exblog.jp/13162725

このカキにウイルス症が発生している問題は本ブログでも以前に取り上げています(本年8月11日)。
牡蠣のヘルペスウイルス感染症 http://beachmollu.exblog.jp/13075739/

2010年12月8日のニュージーランドの新聞でカキの大量死に関するニュースが出ていました。
The New Zealand Herald
Incurable oyster herpes behind big shellfish die-off
By Hayden Donnell and NZPA   2:16 PM Wednesday Dec 8, 2010
http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=10692929

Ministry of Agriculture and Forestry (MAF) scientists today announced they have found ostreid herpesvirus-1 (OsHV-1) in oyster samples from affected farming areas.

北半球でもフランスからアイルランド、そしてイギリスで悪性のOsHV-1ヘルペス症が広がっていますが、ついに南半球のニュージーランドで発生が確認されたようです。これは養殖されるカキの稚貝を全滅させるようです。

ヘルペス症は温度依存性が高く、夏の高温時期に発生しやすいのが特徴の一つです。そのため、「悪いことは何でも地球温暖化のせい」シンドロームのマスコミの絶好の餌となります。

日本原産のカキ(マガキ)が欧米をはじめ世界中に移植されて養殖されていますが、今回の悪性ヘルペスはマガキに対して特に影響があるようです。

同じ記事によると、ニュージーランド原産のカキは感染しないとテスト結果がでているそうです。
New Zealand's famous Bluff oysters have tested as negative for the disease.

NZの農水省の発表によると、このウイルス症は国際獣疫のOIEのリストに載っていないので貿易について移動制限がない、つまりウイルスの国際的な拡散を「積極的に」防止する約束にはなっていないようです。

But MAF said today that OsHV-1 was not listed as a mollusc disease by the
World Organisation for Animal Health (OIE), "meaning it is not an issue of
concern in oyster trade".

そいうわけで、次の夏には日本で発生する順番が来てもおかしくありません。カキ養殖の種ガキを自給できる海域で、外からウイルスの侵入を防止していれば大丈夫でしょうが、種の国内と国際貿易において防疫はどうなっているのでしょうか。水産庁がこの点で全く信頼できないので、国内発生はおそらく時間の問題となるでしょう。

フランスでは、このウイルス症が2008年に確認されてから、ほぼ大西洋と地中海の領海内の全域に拡大したようです。アイルランドがそれに続き、今年はイギリスで発生しました。

これら各地の発生経過を詳しく追っているフランス語のブログがあります。

Regard sur la pêche et l'aquaculture
Pêcheurs et conchyliculteurs font l'actualité!!!

http://aquaculture-aquablog.blogspot.com/2010/06/mortalite-des-huitres-2010-sauve-qui.html

ブログ主から了解はまだですが、とりあえず、図を借りて説明します。

フランスでカキ養殖が行われている海域の地図:
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2010年にヘルペスが拡散した経路です。
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フランスやイギリスでは、日本の筏からの垂下養殖と違って、潮間帯に設置された棚の上でカキを育てます。
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OIEのWAHIDサイトに関係各国からカキヘルペス症の報告が上がっています:
Weekly Disease Information
http://www.oie.int/wahis/public.php?page=weekly_report_index&admin=0
その中で、今年の夏に報告されているアイルランドで全土に広がっている様子をフランス語のブログでも掲載していました。
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イギリスでは毎週WAHIDに経過報告を出していますが、解決していません。ただし、水温が低くなってからの拡大は起こっていないようです(来年の夏に再度広がるでしょう)。

イギリス本土での発生はKENTの1箇所だけです。
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しかし、イギリス領(王家の領地)、フランス本土の沖にあるジャージーで発生しています。
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イギリス国内でヘルペス症が拡散しないように隔離海域が設定され、その中の養殖カキは全て処分されたようです。下の地図で赤く塗られた場所がそれです。その他の海域でもコンパートメントを指定して、それぞれ他のゾーンとの間で移動させないルールを決めていると思われます。それでも海では海流で自然拡散も起こるでしょう。
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この悪性ウイルスに対する耐性を獲得した一部の個体の子孫が生き残って、それから集団が復活するのを待つことしかできないと想像されます。

コイのヘルペスの場合、国際貿易で鯉とそれを容れた水に付着したウイルスが拡散したと考えられています。

カキの新興ヘルペスウイルスでも、国際的に種も親も移動が進んでいて拡散してしまっている可能性が高いようです。

ニュージーランドでは遺伝子検査で今年になって確認されたのですが、1990年代から侵入していたのではないかと想定している研究者がいるようです。

フランス人はカキが特に好きで、海外領土のポリネシアやニューカレドニアなどでも養殖しています。日本のJICA関係プロジェクト、アメリカの太平洋諸島の水産養殖援助などで、日本のカキの移植・養殖プロジェクトは目白押しでした。しかし、高水温の熱帯諸島でマガキは養殖が難しく、全面的に失敗に終わっています。それに高温で活性化するヘルペスウイルスが絡んでいたとしても不思議ではありません。
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by beachmollusc | 2010-12-31 10:07 | その他の貝類

インドハマグリとタマゴハマグリ

現在の見解として、すでに紹介したモザンビークとインド、そしてタイのアンダマン海沿岸、つまりインド洋の端から端まで広く分布するハマグリ類はMeretrix castaと認識しています。和名は(地名を使うのはちょっと、ですが)慣習に従ってインドハマグリとしておきましょう。

タイ産のcastaの1例としてプーケットの臨海研究所から提供してもらった標本です。
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産地はプーケットの南に位置するKantang, Trangで、アンダマン海沿岸です。グーグルアースでその地域の様子を見ると、産地はおそらく内湾が深く陸地に切れ込んだ場所の干潟でしょう。

タイからのcasta標本としては、プーケットの北に位置する同じくアンダマン海沿岸のパンガーという所のマーケットで購入された標本があります。これは大小のシリーズで色彩変異が揃っている合計74個のサンプルですので、集団内の変異の様子が読み取れます(いずれ書く論文にデータを出す予定)。

タイから得られたハマグリ類3種(meretrix, casta, ovum)のそれぞれの種の判別は前に紹介したYoosukh and Matsukuma (2001)の報告に従っています。残るovumはインドから東南アジア各国で大きい集団として分布し、漁獲されている水産種です。

Meretrix ovumは学名の種名に「タマゴ」が当てられています。そこで、和名は安易にタマゴハマグリとしておきます。本種は横から見た殻の形が卵形に近い特徴がありますので、他のオムスビ型の連中と識別しやすい種です。

タイの各地からだけでなく、東南アジア各地(ミャンマー、インドネシア、マレーシア、シンガポール)の標本が手元に集まっています。

タイからJintanaさんが送ってくれたSamut Songkhram(タイ湾沿岸)産のovumです(送り主はcastaとしていました)。色彩変異が激しく、殻表面の全体がチョコレート色の個体も含まれています。
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殻の内側で套線湾入を見るとcastaと同じく極めて浅くなっています。
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ovumを最初に記載した文献はHanley (1845)ですが、これはオンラインで見つかりません。しかし、同時代に出版された貝類図譜 Sowerby (1851)と Reeve (1864)に貝殻の図と記載があります。オンラインで見ることが出来るこれらの文献にはcastaも掲載されているので2種を一緒に引用します。

まずはSowerbyですが、当時のハマグリ属はMeretrixではなくてCythereaというラマルクが提唱した属名でした。(MeretrixもCythereaも放送禁止用語に近い言葉です:ラマルクの人格が想像される?)
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上の図の43,44,46がcastaで、45がovumです。説明文を見ると、ovumはcastaよりも(輪郭が)横長で丸いとしか書いてありません。

次にReeveの図譜から当該2種をくりぬいた部分です。同じくCythereaでした。
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Reeve, L. A. 1864: CONCHOLOGIA ICONICA: OR,
ILLUSTRATIONS OF THE SHELLS OF MOLLUSCOUS ANIMALS

Species 19. (Fig. a, b, c, Mus. Cuming.)
Cytherea ovum.
The egg Cvtherea. Shell ovate, very solid, gibbous, anteriorly heart-shaped,
posteriorly a little produced, whitish, covered with a grey or reddish-orange
epidermis, posterior side stained within and without with violet.
Hanley, Pro. Zool. Soc. 1845, p. 21.
Meretrix ovum, Deshayes.
Hab. Madras.
A solid, gibbous shell, varying in form, as in the specimens figured, from
subglobose to oval, of a grey or redilish-orange colour, deeply stained
with violet, chiefly in the interior, at the posterior extremity.

Species 25. (Mus. Cuming.)
Cytherea casta.
The chaste Cytherea. Shell ovate, scarcely heart-shaped, somewhat depressed,
rather solid, glaucous-grey, very faintly rayed, smooth, shining.
Venus casta, Chemnitz, Conch. C.b. vol. vi. p. 349. pi. 33. f. 346.
Cytherea casta, Lamarck.
Meretrix casta, Deshayes.
Hab. Ceylon.
The shining glaucous-grey colour, indistinctly rayed, is a characteristic feature
of this species.
......................................
(ラテンの記述部分を省略)

英語のchasteというのはvirginということで、このcastaの学名は不思議な矛盾をはらんでいるようです。
(virgin whore?)

上の極めて簡単な記述でそれぞれの種を識別しろというのは無理な相談でしょう。とにかく、輪郭が丸くて縦に短い方がovumです。2種のどちらもインド洋で採取された標本が原記載に使われました。色彩について原記載では変異の一端に触れています。

上の2つの貝類図譜と同じ頃、大英自然史博物館に収蔵されたハマグリ類のモノグラフを書いたDeshayes (1853)はMeretrixを属名に採用し、M. ovumM. castaをその1番目と2番目に記載しています。この文献に図はありません。おそらく、この著者にとって、これらの2種の丸い輪郭の特徴が他のハマグリ類と比べて明確に識別しやすかったのでしょう。ずっと後(1941-42年)にフランスの貝類学者がモノグラフを書いているのですが、その著者たちはこれらの2種を同じように明確に区別しています。

各地からのovumとcastaをじっくり見比べて、ようやく見慣れてそれぞれの識別ができるようになりました。ただし、集団としてみた場合には明確ですが、殻の形態変異の激しい特異的な個体の場合、単独ではすぐには判別できません。つまり、ovumの縦に長い(殻高が大きい)個体とcastaの縦方向につぶれた(殻高が小さい)個体はそっくりで、殻の形態について指標数値で見比べると重なっていて識別できません。全体の輪郭が微妙に違うので「やっと」わかりますが、それはハマグリとシナハマグリを見分けることと同様です。
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by beachmollusc | 2010-12-29 11:03 | Meretrix ハマグリ

冬の虹

デジタル一眼レフカメラに古い三脚を取り付けて使っていたものの、使い勝手が悪すぎて撮影しずらいというわけで、今日は新しい三脚を探しに街に出ました。

出発時点で雨降りだったのが途中で突如として晴れ間が広がり、北の空に(ほんの瞬時だけ)見事な虹がかかりました。

天気が悪いのでカメラを持っていなかったため、最後の手段、携帯電話のカメラ機能を使いました。
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使っている携帯電話の機種が約1年後に使えなくなると言う通知が来ていて、その後継機種がそろそろ出る頃です。次のものは画像サイズがもっと大きくなるはず。しかし、機械として何も問題がなく使えるものを強制的に交換させられるのは何かの陰謀が臭います。地上デジタルと同じパターンでしょうか。テレビは見ないので関係ありませんが、携帯電話は中継タワーが少なかった、広く普及する前から使っています。アナログ時代から始まって15か16年目だったはずです。
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by beachmollusc | 2010-12-28 17:54 | 日記

チョウゲンボウかしら

塩見川には無数のカモ類とオオバンがやってきています。今年は昨年と比べて飛来数が多いようです。多すぎて写真を撮る気にならないのがへそ曲がりと自認しています。

午前中に郵便局に出かけたついでに塩見川の下流にある、タイエイ橋のほとりの小さな公園に立ち寄りました。日向市の小倉ヶ浜にあった海軍飛行隊基地のなごりで、プロペラを展示しています。
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米軍機による空襲であっと言う間につぶされた基地でした。
http://www.mod.go.jp/msdf/mf/touksyu/puropera.pdf
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パネル展示に戦艦日向の絵がありました。’H YUGA’とHの後にスペースがあるのが微妙です。
間違えて入れた'I'の文字が消されたスペースのように見えますね。
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この公園から塩見川の下流に向けてハム工場のフェンス沿いに堤防の上を歩いてみましたが、あっと言う間に行き止まり。工場の排水溝を眺めてから引き返しました。

その時眼に入った鳥、カラスサイズですが猛禽類のようです。小型のワシ・タカでチョウゲンボウという鳥がいますが、それではなかろうかと思いました。望遠レンズカメラを用意して、また改めて撮影に出かけるつもりになりました。とりあえずコンデジで撮れた写真で、やっとこさ見えるものをどうぞ。
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タイエイ橋の上流方向に少し歩いてみたら面白い看板を発見。
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塩見川の名前が出ていませんが、県内の川の恵みを料理に使った飲み屋さん?みたいです。ナマズの蒲焼とはどのようなものか、自分では試してみたくないので、モルモットの天敵さんが行って調べて報告してくれたらありがたいと思います。
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by beachmollusc | 2010-12-27 14:26 |

ばっさり

統計データによれば、宮崎県の全面積の半分は人工林、主に杉畠となっています。日向市も例外ではなく、自宅の周りは谷津田の畦道までびっしりと密に植えられて大木になった杉だらけです。間伐や枝打ちの手入れがされないまま放置され、ヒョロヒョロ杉や風倒木のある所もあちこちにあります。需要と供給のアンバランスの見本のような姿ですが、林野行政はなぜ補助金を出して日本中に杉を植えまくったのでしょうか。

間伐に対する何らかの補助金が出ているらしく、毎日近所でチェーンソーの音が鳴り響いています。散歩道の林道沿いでも最近になって伐採の手が伸びてきました。家の脇を流れる渓流、奥野川の向こう側から手前の元の谷津田(放棄水田)に向かって大木がドスンと大きな音を立てて倒れてきました。
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川の向こう側の林道では下の写真のようになっています。
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かなり乱暴な伐採で、巻き添えになった川沿いの樹木が痛々しいほどです。
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奥野川の中に倒れた杉は丸木橋にしたいのですが、これからどうなることやら。

杉の年輪を数えるために倒された木の断面を撮影しようとしたらミッキーが顔を突っ込んできました。
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散歩しながらの撮影は、勝手に動く犬に振り回されるので難儀です。取り直しの一番。
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樹高が20mかそれ以上になっている杉がたった30年余りで育っています。

バブル時代に植林されたようですが、日本中で人々が金の亡者になっていた頃の事業です。植えればお金になるとそそのかされていたと地域の人たちから当時の話を聞きました。今では、このような運び出すのが簡単な場所で杉を切っても全くお金になりません。価格低下は供給量が需要を大幅に上回っているからです。しかも、国産材は伐採後の処理や流通などのソフト面に関してまるで考慮されてこなかったため、植えっぱなし。宮崎県のように気候に恵まれた場所では急速に育ってスカスカの丸太しかできないのでしょう。

パルプにも炭にも使えないで、丸太から角材しかできない単一種を南日本を中心に全面的に植えまくった拡大造林を国策にした政治屋と脳睡官僚、その後押しをした御用学者たちの顔を見たいものです。すでにほとんどが故人かもしれません。
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by beachmollusc | 2010-12-26 14:00 | 日記

クリスマス寒波

外気温を見ることが出来るように、北に面したキッチンの窓ガラスの外側に温度計を貼り付けています。
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今朝の冷え込みでどこまで温度が下がったのかわかりませんが、午前8時現在でマイナスです。

最高と最低を記録するデジタル温度計はパッションフルーツの温室内に入れておきましたので、温度管理の状況をチェックしてみたら:
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最低温度を10度に設定していますが、ファンヒーターの容量が若干不足しているようです。それでも5度を割っていないのでパッションフルーツは大丈夫でしょう。

温室内の最高温度29度は昼間の直射日光によるものです。締め切って外気を入れないままの状態で、ここまで上昇しています。

路地では霜が一面に降っていて、バケツの水に薄氷が張っていました。
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冬が来る前にミノムシに食われた葉っぱを再生中だったヤマモモの様子を見ると、なんとか持ちこたえているようです。新しい葉の芽生えが霜で痛まないようにスダレで屋根がけしています。
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このヤマモモに棲んでいるヒメジョロウグモがカチンカチンになっていました。
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by beachmollusc | 2010-12-25 08:32 | 日記

今日の小倉ヶ浜

ミッキーの年二回の周期現象が始まり、それに惹かれた、どこから来たのかわからないやせこけたオス犬が柵の外でうろついています。首輪なしで、ロープが首に巻かれていて付け根で切れた状態です。見たことがない奴ですが、人懐こくて性格がよさそう(そのくせ捨てられたらしい)ということで、脅迫して追い払うことはしていません。餌を食べに戻るような飼い主の家はなさそうな印象です(アバラ骨が浮き出ている)。今年の正月も昨年と同様、ミッキーの(屋内)隔離となります。海岸で自由に走らせることは当分の間できません。

冷蔵庫の中が空っぽになったので買出しをかねて正午過ぎに小倉ヶ浜の最南部に出かけました。大潮の干潮で砂浜は広くなっていました。(冬の間は昼間の干潮はそれほど潮位が下がりません)吉野川の蛇行は続いていましたが、大きな変化は見られません。

黄砂があるのか、空は少し濁って見えましたが快晴で雲ひとつない良い天気です。
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休日でそこそこの波が立っていたのに、サーファーの数が少なかったのが意外でした。
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小倉ヶ浜の最南部は平岩港の防波堤が突き出して、その波の陰の部分で砂が堆積し、綺麗に湾曲しています。北を眺めると松林の手前に建設されたコンクリートの階段誤岸が塩見川の方に向かって続いている様子がよくわかります。
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その途中からは伊勢が浜の階段護岸を埋めた砂を運んで捨てた部分に変わります。

鹿児島県の出水の鶴に鳥フルが出たというニュースをラジオで出発前に聞きました。一度現地を見てきたことがありますが、鶴の集中餌付けで観光収入を得るという最悪の醜態でしたから、今回の問題は予見していました。

http://beachmollu.exblog.jp/5203739
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by beachmollusc | 2010-12-23 19:08 | 海岸

タイ国産のハマグリ類

タイ国はインド洋側(サンゴ礁が見られるアンダマン海)と、マレー半島の東側のタイ湾
(Gulf of Thailand)との東西で環境が大きく異なるため、海洋生物相にも大きな差異が見られるようです。

タイのインド洋側にあるプーケットにはデンマークの援助で1968年に建設された海洋生物研究所Phuket Marine Biological Center (PMBC) があります。

この研究施設を本拠地としたTMMP(熱帯海産貝類研究計画)が1990年からデンマーク政府の資金援助、University of AarhusのDr J. Hylleberg のリーダーシップで続けられていました。(現状は不明)

Tropical Marine Mollusc Programme, TMMP
Funded by: Danida (in total DKK 14 million) covering the Southeast Asian Region.

Initiated by: Dr Jørgen Hylleberg and imlemented by Dr J. Hylleberg and staff
from Marine Ecology, Department of Biological Sciencens, University of Aarhus.

http://biology.au.dk/internationalprogrammes/internationalprojectscompleted2htm/internationalprojectscompletedpcasia2htm/

この研究計画では毎年ワークショップが開催され、その報告集がプーケットセンターから出版されてきました。その2001年の報告にタイ産ハマグリ類についての分類研究の結果が報告されています。

Yoosukh, W. and A. Matsukuma (2001) : Taxonomic study on Meretrix (Mollusca:
Bivalvia) from Thailand. Phuket Marine Biological Center Special Publication 25(2),
451-460.

この研究報告ではタイ産の4種類のハマグリ属の貝をリストアップしました(比較参考のためベトナム産のミスハマグリ、1種を加えている)。下のように、それぞれのサンプルの産地が記載されています。

meretrix: Rayong (Gulf of Thailand); Chon Buri (ditto)
casta: Surat Thani (Andaman Sea); PhangNga (ditto); Ranong (ditto)
ovum: Samut Songkhram (river mouth of Maeklong River, Gulf of Thailand)
planisulcata: Phuket (Andaman Sea)

タイのMeretrix meretrix、(タイワンハマグリの和名があてられている)はタイ湾だけで、インド洋側、アンダマン海とマラッカ海峡沿岸からは記録されていないようです。(台湾ではなく、まさにタイ湾ハマグリ!)

琉球大学とタイ国のチュラロンコーン、カセットサート大学は研究者の交流や学生の交換が行われ、さらに東大海洋研究所の東南アジア各国との研究者交流事業もありましたので、タイ国の貝類(水産)研究者が私の研究室に短期客員として滞在したこともあります。

その客員だった一人、Jintanaさんは、タイ湾に面したプラチュアップ・キリ・カーンの水産研究所に勤務していてmeretrixの種苗生産を試みたこともあります。

Jintanaさんが送ってくれたタイのハマグリ類は3種(meretrix, casta, ovum)ありましたが、その中のプラチュアップ・キリ・カーン産のmeretrixの集合写真です。
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殻の色彩変異が激しくて、真っ白なものから派手な模様のものまで個体ごとに様々です。

代表として一番大きいものの表面と内側の写真です。
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これを見ると套線湾入が深い種であることは明白です。

2007年にJintanaさんや他のタイ国の研究者から琉球大学の土屋教授経由で入手されたサンプルには、タイ湾沿岸のラヨーン産のmeretrixがありました。地元のマーケットで購入されたものの集合写真です。
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Jintanaさんは色彩変異の代表をそれぞれ1個ずつ提供してくれましたが、このラヨーンのサンプルは集団内の変異の相対的な頻度分布を示唆しているようです。

昔の分類で、ハマグリ類は色彩・模様が異なると別種にされたこともあって、特にラマルクがその主犯でした。変異が明確な集団サンプルではなく、標本が少数の場合には異なる色を別種としたがる向きが今でも見られます。台湾沿岸で最近発表された「新種」のハマグリ類もその一例となるでしょう。

厄介なことに、例えば、殻の表面がチョコレート色になる色彩型はハマグリ類の各種に広く見られ、それらの別種が色をもとにして一緒くたに同じ種にされるということまであったようです。同じ種を色で別種に分けることよりも、別種を一緒にする混乱状態は、分類整理をより難しくします。

<追記>

タイ湾のタイワンハマグリと同じものはタイ湾の周辺海域、南シナ海南部(借り物ですが手元にマレーシアのジョホールとサラワクのクーチン産の同種があります)に広く分布しているようです。しかし、インド洋側では記録がありません。フィリピン産のもの(科博のサンプル)が同種かどうか、これからじっくり見ますが、違うものかもしれません。

一方、アンダマン海沿岸のcasta(和名がないのでインドハマグリと仮称)はタイ湾ではovum(これも和名がないのでタマゴハマグリと仮称)に置き換わっているようです。ハマハマやシナハマ、チョウハマに習ってインハマとタマハマです。インハマはアフリカからタイまでインド洋全域に広く分布する種と思われます。

タイハマはタイと台湾とが紛らわしくていけませんが、台湾にいるものでタイワンハマグリとされたものは学名Meretrix meretrix(ここで紹介したタイワンハマグリ)ではなさそうなのでOKでしょう。とにかく広域分布種に地名をつけて和名にしてはいけません。とりわけキュウシュウナミノコが最悪で、北海道からベトナムまで記録されてしまいました(ただし、おそらく複数の種が混ざっているようです:ナミノコ類の混乱を片付けるのは今後の課題)。

インハマとタマハマは極めてよく似ていますが、集団として変異の幅を理解できるようになったので、何とか識別できそうです。ただし、インドのタマハマと想定しているもの(インドでの学名でインハマと呼ばれている)は別種かもしれません。

タイハマとタマハマはほぼ同じ海域で砂浜と泥干潟の互いに異なる環境にすみ分けている並存状態で、日本のチョウハマ(外海の砂浜)とハマハマ(河口や内湾の泥干潟)の関係と似ているようです。

インハマとタマハマはどちらも泥干潟の住民で、分布海域が異なっている似たもの同士で、ハマハマとシナハマの関係によく似ていると思われます。

ハマグリ類の分類はインドネシアのサンプルが乏しいのが宿題となっていますが、東南アジアまでは整理がほぼできたみたいです。しかし、中国・台湾の種を触ると再びカオス状態になるかもしれません。
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by beachmollusc | 2010-12-22 10:04 | Meretrix ハマグリ

インド産ハマグリ類(その2)

パタソンさんが提供してくれた、インドの南部沿岸で採取された2種のハマグリ類の第2弾、現地でcastaと呼ばれている種についてまとめておきます。

ハマグリ類の古典分類について時代を遡って見ると、リンネの1758年Systema Naturaeでは2種類、すなわちVenus meretrix とV. Chioneが記載されています。

Gmelin(1790)は3番目のcastaという種を記載していますが、リンネと同様に貝殻の画像はChemnitzによっています。

原記載はBiodiversity Heritage Library(BHL)サイトからダウンロードできます。
Gmelinのcasta及び他の2種、meretrix とChinoeの記載のところをくりぬきました。
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ラテンで簡単に書かれている文を読み取るのは難儀なことですが、これは欧米人でも面倒らしく、親切な学者が英語で書き直してくれています(それもBHLにありました)。

この論文では、下にあるようにGmelin以後にRoedingなどがChioneからlusoria、つまり日本産ハマグリを分離して記載した理由が解説されています。(これ、日本産ハマグリの学名については後で、別稿で詳しく説明したいと考えています)

A descriptive catalogue of recent shells:
arranged according to the Linnæan method;
with particular attention to the synonymy / by Lewis Weston Dillwyn ...
Publication info: London: Printed for J. and A. Arch,1817.
Contributed By: Smithsonian Institution Libraries
http://www.biodiversitylibrary.org/bibliography/10437

スミソニアン自然史博物館収蔵の文献(古くて希少・貴重なもの)がオンラインで公開されていることはすばらしいことです。

上の3種のハマグリ類の部分をダウンロードしてからpdfファイルの変換ミスを訂正しましたので、それを下に貼り付けます。<VENUSのセクションのみ>

A DESCRIPTIVE CATALOGUE OF RECENT SHELLS,
ARRANGED ACCORDING TO THE LINNAEAN METHOD;
PARTICULAR ATTENTION TO THE SYNONYMY BY
LEWIS WESTON DILLWYN, VOL. I. 1817.

ATTEMPT TO ELUCIDATE THE SPECIES OF SHELLS DESCRIBED
IN GMELIN's EDITION OF THE SYSTEMA NATURAE, AND TO PAVE
THE WAY FOR A BETTER ARRANGEMENT


177‐78頁  LUSORIA

Lusoria. 44. Shell somewhat heart-shaped, ponderous, glabrous,
with the anterior slope truncated, and the margin very entire,

Variety A. White, with two obsolete brown longitudinal rays.
Venus lusoria Japonica. Chemnitz, vi. p. 337. t. 32. f. 340.
Venus Chione Var. β. Gmelin, p. 3272.
Venus, No. 18. Schroeter Einl. iii. p. 161.
Rumphius. t. 43. f. G.
Petiver Amb. t. 18. f. 20.

Variety B. White, with scattered brown angular streaks and spots.
Venus lusoria variegata. Chemnitz, vi. p. 347. t. 33. f. 344.
Venus Chione Var. γ. Gmelin, p. 3272.
Venus, No. 19. Schroeter Einl. iii. p. 161.

Inhabits the coasts of Amboyna. Rumphins. Japan, and China. Chemnitz.

Shell about two inches and a quarter long, and two inches and three
quarters broad, and I have followed Chemnitz, Kaemmerer, and Schroeter,
in placing it separate from V. Chione, on account of the more truncated
appearance of its cartilage slope; the anterior tooth of the hinge is long
and crenulated, and the margin on the inside is violet.

178頁    CHIONE

Chione. 45. Shell somewhat heart-shaped, glossy, with the posterior
depression oblong and acute; margin very entire.

Venus Chione. Linnaeus Syst. Nat. p. 1131.
Born Mus. p. 63.
Chemnitz, vi. p. 344. t. 32. f. 343.
Schroeter Einl. iii. p. 124.
Gmelin, p. 3272.
Donovan, i. 1. 17.
Montagu Test. p. 115.
Maton and Racket, in Lin. Trans, viii. p. 84.
Dorset Cat. p. 35. t. 6. f. 7.
Pectunculus glaber.
Da Costa Brit. Conch, p. 1S4. 1. 14. f. 7.
Lister Conch, t. 269. f. 105.
Gualter, t. 86. f. A.
Knorr, vi. t. 4. f. 1.
Regenfuss, i. t. S. f. 17.
Favanne, t. 47. f. E.
Enc. Meth.t.266. f. 1.

Inhabits the Asiatic Ocean. Linnaeus. Mediterranean. D'Avila.
Adriatic. Chemnitz. Coasts of Britain. Lister, etc. Naples. Ulysses.

Shell about two inches and a quarter long, and three inches broad; of a
pale chestnut colour, with darker longitudinal rays, and the inside white;
margin obtuse, and very entire; the cartilage cleft is broad, and extends
about half way down the anterior slope.

179頁    CASTA

Casta. 47. Shell somewhat heart-shaped, compressed at the posterior end;
anterior slope rounded, and the posterior depression ovate; margin very entire.

Venus casta. Chemnitz, vi. p. 349. t. 33. f. 346.
Gmelin, p. 3278.
Venus, No. 20. Schroeter Einl. iii. p. 162.

Inhabits the East Indian Seas. Chemnitz.

Shell about an inch and a quarter long, and an inch and a half broad; very
white, tinged with violet both inside and out at the anterior end, and the
posterior depression is violet; the cartilage slope is rounded, and has a
large oblong cleft; the anterior tooth of the hinge is crenulated in both valves.

179-180頁  MERETRIX
Meretrix. 48. Shell triangular-heart-shaped, shining, compressed at the
posterior end; cartilage slope rather protruded, and the posterior
depression obsolete; margin very entire.

Venus Meretrix.
Linnaeus Syst. Nat. p. 1132.
Born Mus. p. 65.
Chemnitz, vi. p. 350. t. 33. f. 347 to S52.
Schroeter Einl. iii. p. 126.
Gmelin, p. 3273.
Brooks's Introd. p. 66. t. 3. f. 26.
Meretrix labiosa.
Lamarck Syst. des Anim. p. 122.
Gualter, t. 76. f. C.
Argenville, t. 2 1. f. F.
Knorr, vi. t. 6. f. 3.
Enc. Meth. p. 268. f. 6.

Inhabits the Indian Seas. Linnaeus. Coasts of Ceylon, the Molucca and
Nicobar Islands, chiefly about the mouths of rivers. Chemnitz.
China. Humphreys.

Shell generally about an inch and a quarter long, and an inch and a half
broad, thick, and more glossy on the out than in the inside; the colour is
white, or pale greenish, yellowish, or yellowish brown, and variously
marked with darker obsolete rays, transverse rows of dots, or small
angular streaks; the cartilage slope becomes abruptly flattened, and is
protruded in the middle; the hinge has a distant tooth under the posterior
depression in one valve, and a hollow for its reception in the other; the
inside is white, and tinged with purple on the anterior slope. Chemnitz,
in Vol. xi. p. 228., under the name of V. brunnea, has described what
appears to be only a variety of this species, of an uniform chestnut colour.

以上、引用した文から見て殻の表面に光沢があるという点がパタソンさんがインド南部から採取して持ってきたcastaと呼ばれているものと異なります。 castaの原記載、模式標本はインド産のようです。

パタソン標本で最大の殻は殻長51mmでした。内側の写真で見ると套線湾入が極めて浅いことが明白です。
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色彩変異として殻の表面全体が茶色のものが数%含まれています。
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ほとんどの個体は白い殻で表面に薄いベージュ色の剥げやすい殻被を被っています。その殻被が赤茶色に変色している個体が大きい個体に多く見られました。
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内側に薄いピンク色が出る傾向があることは、タイ国などのovumと(思われるものと)同様です。また、殻の水管が出る部分(潜った状態で上になる、殻としては後端)の周囲が濃い紫色になる個体が多いようです。

ごく小さい個体が標本に含まれていませんが、(大きい個体に見られる)若い頃の殻の表面にはハマグリ類によく見られる斑紋、二本筋模様などが刻まれています。
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このcastaと呼ばれている種は輪郭から見るとタイのovumそっくりです。Hornellはovumとcastaを同種の地域変異と見ていたようです。

この種の確定についてはまだ確信が持てないので保留しておきます。しかし、インド南部産の2種:meretrixがcastaでcastaが暫定的にovumに玉突きで変更せざるを得ないかもしれません。インドにM. meretrixはいないのかもしれません。
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by beachmollusc | 2010-12-21 09:20 | Meretrix ハマグリ

スズメの食卓

簡易温室の温度調節で、低温障害を避けるための加温は問題なくできました。しかし、直射日光が当たる数時間の間に締め切った温室内では上部の温度が高温になり、パッション・フルーツの蔓の天辺付近に高温障害が見られます。鉢の部分では10度そこそこでも、もっとも上で30度を超えます。これは燃料を炊いて沸かすお風呂のお湯の表面が熱くなるのと同様です。

温室には出入り口と換気用の窓がありますが、それを開け閉めするのが面倒なので、室内に空気を攪拌するファンを取り付けました。それを直射日光が当たる時間帯だけ動かすようにコンセントタイマーを設定したところ、作動が不安定です。昔使っていたものを再利用している2個のうち、1個は夜間だけ保温ランプを作動させていて順調ですが、もう一方が故障です(スイッチが入りにくい)。

ビーチの散歩ついでにホームセンターに立ち寄り、防滴仕様でタイマーコンセントと常時コンセントが併用できるすぐれものを見つけて購入しました。

その帰り道で、COOPのスーパーの駐車場のすみっこにあるコイン精米機の所にスズメが群がっているのを発見。またもや望遠レンズつきのカメラは持たずに(持って出かけると被写体が出てくれないが、持たないと出てくるジンクスが成立)車の中から、交差点で赤信号で止まっている間にコンデジで1ショットだけ撮影できました。
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画像をクロップしたスズメたちの姿です。
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コイン精米機の取り出し口でこぼれ出た米粒を皆でせっせと片付けているようでした。田んぼでモミを食べるよりも効率的かもしれませんが、栄養が偏るかもしれません。

最近、スズメの姿が見られなくなっていると騒がれていますが、田んぼでは米粒をこぼさずに機械が綺麗に刈り取るからでしょう。
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by beachmollusc | 2010-12-20 09:02 |