beachmollusc ひむかのハマグリ


海辺の浅瀬は水産動物のこども達のゆりかごです
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海辺の自然を取り戻そう
 自然の恵みを後世に残すためには、その生態と環境を深く、よく知ることが基本です。

 海岸の浅瀬、干潟や砂浜は資源生物のゆりかごです。
しかし、それにおかまいなしに埋立てや海岸構造物の建設、水質汚染も加わって、日本中の水辺、海辺の環境は撹乱され、破壊されてしまいました。その結果、ハマグリなど干潟の動植物の多くが絶滅危惧種となっています。

 このブログでは、主に砂浜環境の保全を念頭において、日本各地の山、川、海の姿を調べて見てまわったこと、
そして2006年5月に移住した日向市の海辺と里山の様子や生き物などを紹介します。

このブログにリンクを張ることはご自由にどうぞ。

    - 自己紹介 -

大学院博士課程修了後7年間の海外での研究と28年余り大学教員をしていました。

海の無脊椎動物(貝、ヒトデ、サンゴ、クラゲなど)が専門、自称の学位は Doctor of
Underwater Marine Biology
(DUMB:バカセ)

楽観的な悲観論者または悲観的な楽観論者:生態的に無理をしている人類の滅亡は近いだろうが、それも自然の摂理じゃないのかな

せっかちな慎重派:ゆっくり
見極めて急いで集中的に
お仕事します

好きなもの:日本蕎麦が一番、パスタ・スパゲッティ、うどんもよし、つまりメンクイです

嫌いなもの:人混み、投棄ゴミ、マスゴミ、脳衰官僚

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門川高校のホタル博士軍団来襲

北川のやっちみろ会が3年前から続けている「ホタル博士育成講座」には門川高校の生徒さんたちと先生が参加しています。門川は日向市の隣町で、高校から待ち合わせ場所まで車で15分くらいでやって来ました。

宮崎日々新聞  2011年06月08日
ホタル舞う学校へ 門川高、完全養殖など成果次々
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=38681&catid=2&blogid=2

 ホタルが舞う高校にしたい―。門川町・門川高(勝河元春校長、452人)総合学科ネイチャーサイエンス系列ホタル班の生徒たちは、そんな夢に向かい「ホタルの養殖と研究」に日々取り組んでいる。

 昨年度は完全養殖に成功、本年度は幼虫がさなぎになるため水中から陸上に移動する(上陸という)時の撮影に成功するなど成果を上げている。

 同系列では「水」をコンセプトに総合学習の時間を設けており、同班の取り組みもその一環。今年で6年目。完全養殖で産卵させた卵から成虫に羽化させるまでは、苦労の連続だったという。


本日、本年度のホタル博士に認定された生徒6名を二人の先生が引率し、日向市に来襲しました。予定時間になると急に晴れてきて、日差しが暑いくらいです。
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ホタルを育成している高校内の飼育水路が完成し、また現在飼育中の幼虫の餌が食べつくされたのでカワニナを補給したいと相談を受け、とっておきの採集場所に案内しました。
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なぜか、育成講座の時もそうでしたが、ホタル班の生徒たちは男女3名ずつ分かれて別々に行動する傾向が見られました。

引率してきたY先生は、生徒そっちのけで、水路に降りてカワニナを拾い続けています。
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夢中になって水路の上に渡された橋に頭をぶつけそうになっていたので警告して救ってあげました。
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精神年齢は生徒よりもこの先生の方がかなり若いみたいです。

門川高校用にカワニナと、当方の研究用(固定保存してDNA抽出する)マシジミを採ってから、もう一つのカワニナ・スポットに案内しました。

ホタル博士たちはバケツに半分くらいカワニナを採って大満足で高校に戻って行きました。ちなみに、これは授業の一環として2時限分だそうです。
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by beachmollusc | 2011-11-29 17:33 | ホタル

高千穂から視察団

16日の熊本市からの視察団に続いて今日は高千穂町から来客です。

総勢26名で大型バスに乗って朝一番に出たそうで、予定の10時より20分以上前に塩見に到着し、受け入れ側の役員メンバーがあわてて駆けつけました。前の熊本グループは全員がジジでしたが、高千穂グループはジジ・ババで、かなりの高齢者も一緒でした。

そして、なんと、明日は都城の視察団の受け入れを予定しています。

「農地・水・環境保全・向上対策事業」という農水省の補助事業は、名称を変えて「農地・水・保全管理支払交付金」となっていますが、今年が5年目の最終年度です。
http://www.inakajin.or.jp/midorihozen/

お役人は上手に事業の「自己評価」(=手前味噌)をやりますが、達成される(見込み)数量データが昨年の「中間評価」にありました。

農地・水・環境保全向上対策の中間評価
http://www.maff.go.jp/j/press/nousin/kankyo/pdf/100913-02.pdf
遊休農地発生防止のための保全管理活動により、本対策の実施期間5カ年間で、1,600haの耕作放棄地の解消と、13,000haの耕作放棄地の発生防止の見込み。

九州における耕作放棄地の統計データは下のURLですが、最近の数字は見当たりません。
http://www.maff.go.jp/kyusyu/toukei/hensyu/sonotakako/pdf/03genzyo_kyu.pdf
1 耕作放棄地面積の推移
【販売農家・自給的農家等の推移】
○ 九州の耕作放棄地面積は年々増加し、昭和60年から平成17年の20年間で3倍の 6万1千haに増加しています。
○ 特に、自給的農家と土地持ち非農家は、20年間で約4倍近く増加しそれぞれ1万2千ha、2万7千haに増加しています。


農地・水・環境保全の事業が開始されるより前に、九州だけで約6万ヘクタールの放棄耕作地ができてしまっていて、それは、特に中山間地で農地を持っているが農業生産をしないところが増え続けているためです。

上の「見込み」が結局どうなったかは、数字で示してもらいたいのですが、H17年には全国で40万ヘクタール近くまでに増えたのが足止めできたのかどうか、宮崎県内を見ている印象では怪しい限りでしょう。

事業の趣旨はよいのですが、この全国規模のバラマキが耕作放棄地対策として効果をあげるとは思われません。農地での生産活動が経済的に成立しないところに補助金をばら撒いて問題を先送りしているだけに見えます。

明日のグループは、桜木「水・土・里」保全向上会で、そのキャッチフレーズ:ほたるの里、です。
http://www.midorinet-miyazaki.com/nousui/initiatives/summary_pdf/kitamorokata/10.pdf

実は、今日訪問された高千穂のグループは「蛍舞う自助の村尾谷会」でした。
http://www.midorinet-miyazaki.com/nousui/initiatives/summary_pdf/nishiusuku/02.pdf

熊本市のグループも同様にホタルの里が主眼の地域からでした。

里山の農村地帯でホタルを取り戻したい、という願望は九州以外でも広がっているようです。

本日は子供さんたちを連れてくるという事前情報があったので、田んぼの生き物を実際に見せてあげたいと思い、色々な水生生物を入れた水槽を用意しました。しかし、残念ながら高齢者だけの来訪です。予定より早く着き、受け入れ態勢ができていなかった所へ皆さんが乱入してきました。
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アカハライモリを見てサンショウウオがいる、などと大きな声を出すお年寄りがいたりして楽しいのですが、大勢でランダムに動かれては、こちらの取り組みなどを説明できません。年寄りよりも小学生の団体行動の方がずっとよく統制が取れていることがわかりました。

用意した生き物の一部の写真を下に紹介します。
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通称イボガエル君が湿地の浮き草の陰に隠れていたので捕獲しましたが、いるはずのアカガエルが見当たらなかったのでカエルはこれだけ。トノサマやガマなどはそろそろ冬眠でしょう。高千穂ではヒキガエルはいるがトノサマは見かけないと皆さんが言っていました。

昆虫ではマツモムシとクロズマメゲンゴロウを捕まえて見せました。コガタのゲンとヒメゲンは屋内水槽で飼育中でしたが、子供が来ないので外に出さず。
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マツモムシはオタマジャクシを襲うようですが、現在は被害を受けるオタマは見つかりません。

互いによく似ているが色が違う、わりと大きいヤゴが2種?いました。トンボのヤゴは外にも色々いるはずですが、捕獲できたのはこいつらだけです。
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トンボの種類はさっぱりわからないし、ヤゴはさらにわかりません。

貝類はマルタニシとヒメタニシを出しておきました。
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イシガイの仲間もタニシとツーショットです。
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淡水シジミなども来客に見せましたが、ここでは省略します。
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by beachmollusc | 2011-11-26 19:50 | 日記

熊本県甲佐町、五色山のシジミ

11月20日の緑川水系のシジミ採集調査では、真っ先に甲佐町の五色山(標高60m)を目指しました。名前の由来がどうか、関係があるかわかりませんが、現地の路頭の岩石は奇妙な色合いで層をなしていました。
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五色山の裾に水路が流れていましたが、底に仕切りがある3面張りコンクリートです。
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水路の畦の雑草が荒れ放題で、水路の中では土砂が堆積したままでした。下の写真では水路が枯れ草に隠れていて全く見えません。
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驚いたことに、水がミルクを流したような白濁状態でした。
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この環境でシジミ集団が健全な状態でいるかどうか心配になりましたが、オオカナダモが成育していて、生きているカワニナも見えるので、とにかく砂を網でさらって採集を試みました。

1時間ぐらい、あちらこちらと探りながら集団のいる場所を見つけ出し、稚貝を混ぜて90個体採集できました。死んだばかりの殻が多く出てきたので、やはり生息環境がかなり悪いようです。

御船町の恐竜博物館の池上さんが緑川の中流域で左岸にある五色山のふもとで2008年9月に82個体を採集し、4つの色彩型からなると報告しています。その中でマシジミとされたのはグラフで19%とされていたので、16個体(16/82:19.5%が近い)です。論文中のグラフでタイワンシジミの3つの色彩型を一緒にしているので今回の自分で採集したものと細かくは比較ができませんが、池上さんが従っていた分類ではマシジミが出ていないので、大幅に変化したことになります。

自分が五色山の水路で採集したシジミは二つの色彩型に分かれました。一つは内側が全体的に濃い紫色になるものが31個体、そして薄い茶色になるものが59個体でした。

殻の内側が濃い紫色の色彩型は個体によって色が薄い部分が不規則に現れました。特に大きい個体は淡水貝類図鑑で定義されたマシジミにかなり似た色彩パターンです。成長に伴ってこのパターンは変化するのかも知れません。
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下では小型の貝で色彩型を比較しました。まずは内面が濃い紫色のもの。
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そして内面が薄い茶色のものです。しかし、殻頂に近い部分は濃い目の茶色です。紫でなく茶色が内側に現れる淡水シジミはこれまで見たことがありません。
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以上の様に、3年前に(おそらく)同じ水路で採集されたシジミと今回のシジミはまるで別の集団みたいでした。

五色山水路のシジミは殻の色彩の個体ごとの変異はあっても形態的には同じ変異の範囲内のようです。言い換えれば色が違うが形は同じ個体が集団をなしていました。そして、この場所のシジミは、御船町の2箇所で採集した集団と見比べて、明らかに殻の縦と横の比率が違っているようです。五色山集団は横長の殻でした。

池上さんはタイワンシジミの殻の縦横比がマシジミに比べて横長であるという計測結果を記録しました。横/縦の中央値がマシジミで0.89に対し、タイワンシジミでは0.82としています。これは2箇所のサンプルをプールした結果であり、地点間で個体数に明らかな偏りがあるので、実質的に地点間の比較となっています。それを確かめるためにはプールしていない元のデータを参照する必要がありますので、いずれもう一度確認調査に出かけるつもりです。
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by beachmollusc | 2011-11-24 19:51 | シジミの仲間 Corbicula

御船町の水路のシジミ(つづき)

御船町には恐竜博物館がありますが、今回は日帰りの採集だけで精一杯のため、立ち寄りませんでした。

高木の水路シジミの大漁の後、町役場に向かう道路脇に恐竜がいました。
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この恐竜が時々動いたりしてくれたら面白いのですが、見とれて交通事故が発生するかもしれません。

役場やカルチャーセンターの周りを取り囲む「城囲いのお堀」みたいな水路がありましたが、シジミが好む砂が堆積していないので周囲を探索中、面白いマンホールの蓋を発見。この町が好きになりました。
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お堀とは別に、道路をはさんでもう一本の水路があって、それが道路下の暗渠で互いにつながっていました。
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なんとも複雑な水路ですが、それがさらに枝分かれしています。
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水路の連結部にわずかな落差があり、役場側水路からもう一方に流れ落ちている場所の脇に砂泥が堆積し、草が生えています。泥さらいをしないでおいてくれていてシジミにはラッキーです。
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シメシメと網を入れてみたら、シジミ集団が簡単に採集できました。100個体余りをわずか10分間。車が通っているちょっと手前の場所が採集したポイントです。
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採集が終わったところに日向市から熊本に戻る途中のパン屋さん親子が現れました。東郷町から熊本の山中に引っ越してパンを焼いているインドかぶれのオヤジさんとその嫁さんは琉球大学出身で、以前日向市の水路で子供たちがカワニナの採取など手伝ってくれました。携帯電話は便利ですね。

御船町の役場裏の水路のシジミ集団はその上流の高木の水路と基本的に同じです。殻の形態は同じで「おむすび型」、そして色彩型は殻の内面が濃い紫であるものが1割弱を占め、大多数が薄い色でした。

2008年8月に恐竜博物館の池上さんがこの地点(正確には一致していないかもしれない)で採集したシジミ集団は18個体中、内面が濃い紫のもの2個体と薄い色のもの17個体でした。(合計数が合わないようですが、論文に書かれているままを引用しています。)濃い色が1割強ですから、今回の自分のサンプルとほぼ同様でしょう。
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by beachmollusc | 2011-11-23 10:24 | シジミの仲間 Corbicula

御船町の水路のシジミ

熊本地学会誌の2009年に発行された151号には御船町の恐竜博物館の池上直樹さんが執筆した研究報告があります。著者にメールでお願いし、ファイルを送っていただきました。

タイトル: 熊本県緑川水系で採集された淡水産シジミ 
-タイワンシジミとマシジミの貝殻形態-

タイワンシジミとマシジミを集団遺伝的に比較した国内の研究者による報告には貝殻の色彩に関するあいまいな記載があるだけで、形態指標を測定し、集団間で比較したものは皆無です。集団遺伝で分子を扱う人たちが形態の統計データを示していないのが、これまで大きな不満の一つでした。池上さんの論文では殻の計測と形態の観察結果が詳しく記述されていたので、やっと集団間の比較ができるデータが見つかりました。

上のタイトルの論文は緑川水系としていますが、実際には御船町の2箇所と隣接する甲佐町の1箇所で、もっとも離れた地点間で約6キロしかありません。山間部から平野部に移り変わる位置で、緑川の中流部で、支流の御船川が合流する少し手前です。

前のブログで紹介したように、御船町の北側の水田地帯にある高木という所の水路で採集したシジミが持ち帰ってから活発に産卵しましたが、他の2地点(御船町の役場裏の水路と甲佐町の五色山の水路)で採集したシジミは産卵しませんでした。

ここでは高木の水路の様子とそこで採れたシジミを紹介します。

池上さんは2007年8月に43個体、2008年9月に18個体を高木の水路で採集したと記録しています。水路の位置が地形図で示されていたので、その緯度と経度を読み取り、GPSで採集場所を見つけ出しました。

3面張りのコンクリート水路で川幅が約3mと報告にあったのがこれでしょう。
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昔は水田地帯を曲がりくねって流れる素敵な小川だったのでしょうが、河川改修で直線化され、コンクリートで固められた「一級河川」です。池上さんは、この中に入って採集したようですが、この川と平行して土手の下に流れる小さな水路があったので、そちらを攻めてみました。

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水路の上を渡る橋の下がシジミのダイスキな暗渠になっているので、狙ってみたらドンピシャリでした。
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堆積した砂泥に網を入れてガサガサするだけでざくざくとシジミが採れます。10分くらいで大小約300個をゲットして満足して切り上げました。本気を出して採れば道端で店を開けそうでした。
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上の写真に見える黄色いポツポツが取り残したシジミです。

すでに貝殻と中身のアルコール固定サンプルに分けましたので、貝殻の内側の色を見ることができます。

もっとも多量に産卵した個体です。
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この場所では、上のような、外側が黄色で焼け焦げ模様があり、内側が薄い紫色の色彩型が圧倒的に多く、全体の94%を占めました。
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そして残りは3%ずつで、共に内側の色が濃い紫で、外がこげ茶(上)と青紫(下)の色調に分かれました。
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青紫と黄色が産卵したのに対し、こげ茶の9個体は全く産卵せずでした。

貝殻の色は3通りに分かれていましたが、殻の形態は同じ変異内だろうと思われます。

池上さんが2007年と2008年にこの水路の横に流れる川で採集したシジミは全て「マシジミ型」、つまり、殻の内側の中心部は白っぽく、周辺部が濃い紫だったとあります。しかし、今回採集した300個体の中にその特徴を示すものはありません。

並んで流れている川と水路の両方で採集しないと過去の資料と比較できませんが、川の中にマシジミ型がいない可能性が考えられます。

同じ矢形川の下流に位置する御船町役場の裏の水路で採集したサンプルとの関係について、続きはあとで。
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by beachmollusc | 2011-11-22 21:01 | シジミの仲間 Corbicula

御船町で採集した淡水シジミが放卵・放精

昨日採集した熊本県御船町のシジミが、低い水温にもかかわらず、水換えに反応して卵を産みました。論文として公表された報告に書かれたことに合わない、想定しないことが起こるのは困ったものです。

産卵された卵は未受精でしたが、温度が低い(13度)ためか、発生がなかなか進まないようです。

以前に見た「産卵」は体内で受精していたものが発生途中の様々な段階(胚)で放出されたのですが、今回は受精と最初の卵割が観察できるかと思いきや、半日たっても発生が前に進みません。

卵と精子を放出する様子を動画に記録してようつべにアップしておきました。
http://www.youtube.com/watch?v=G1kKTpFa5AM

静止画像ではわからない、放出のリズムがわかります。

面白いことに、配偶子を出す出水管の方向を時折変えて、広くばら撒いていました。
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上の個体は卵を大量に放出しましたが、精子は少しだけ。それに対し、下の個体は逆に卵は少しだけで精子を大量に出しました。
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個別に容器を分けておいた3センチ近い大型個体が11あったのですが、4個体で卵が多く、1個体だけ精子が多く、6個体はどちらも出さず、と言う結果です。

卵は0.2ミリくらいあるのでツブツブが見えます。放出された精子は白い雲が拡散するように見えます。

放卵・放精の継続時間は、もっとも長い個体で30分くらいでした。

<追記>

午後8時に最初の卵割が見られました。放卵・放精の時に受精したとすれば11時間かかっています。20度以上の水温では数時間で始まるはずなので、3倍以上遅くなっています。
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by beachmollusc | 2011-11-21 19:44 | シジミの仲間 Corbicula

緑川水系の上流にて

狩猟が解禁になってから最初の日曜日です。家から100m下流の奥野川河川プールの駐車場にオレンジ色のベストをまとって軽トラにワンコをのせた鉄砲打ちの人たちが集結するので、家のワンコたちがストレスいっぱいになります。そこで、熊本方面の天気予報は晴れだったので緑川水系目指して出撃しました。淡水シジミは予定通り採集しましたが、そのレポートは後回しです。

門川から自動車道で延岡経由、北方インターまで、そして国道218号線で日之影、高千穂、五ヶ瀬を通り過ぎ、熊本県の山都町に入りました。この町には緑川の上流の大矢川が流れています。
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道端に「ほたるの森公園」の案内標識がありましたが、道草をしている余裕はありません。
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川べりに紅葉が楽しめる場所や滝などもあって、日が長い時期であれば立ち寄ってみたかった場所が色々あります。
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特に通潤橋と円形分水公園は見たかったのですが道から外れているらしかったので通過しました。

目的地の御船町に出る経路は2つあって、218号線から北側の445号線を進む方が若干早いようです。しかし、往路は218号をそのまま進んで(美里町経由)甲佐町に出ました。

その途中で石橋の里という看板があり、国道に接したような位置で大きな石橋がありました。霊台橋です。
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ここまで連続運転していたので休憩をかねて石橋を見物しました。
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大きくて見事な石橋ですが、橋の下の川の流れはそれほど美しくありません。
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このほかにも昔の石橋がいくつか保存されているようでしたが、素通りしました。

甲佐町のシジミのスポットには11時に到着し昼までに採集を済ませ、午後に御船町で2箇所採集して、熊本に引っ越したパン屋さんがたまたま日向市から熊本に戻るところを役場の裏でランデブー、3時頃御船町を切り上げて445号線経由で走り、午後6時に帰宅でした。
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by beachmollusc | 2011-11-20 19:51 | 日記

球磨川水系のシジミ

昨日は球磨川水系の源流域から人吉市まで淡水シジミを求めて探索しましたが、日向から山越えで行く経路は思ったより時間がかかり、残念ながら現地で調査に十分な時間がとれませんでした。

山を越えて熊本県に入り、湯山の市房ダムに着いたところで昼食時間となり、ダムの土産店を冷やかし、食堂で山菜うどんを食べました。
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お土産に現地産の「珍味」山椒シジミを購入。
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事前のネット情報としては人吉城の城壁下の水路にマシジミがいるという熊本県の広報(前のブログ)と、あさぎり町の広報で町内の水路にいるということをキャッチしていました。

人吉城下のマシジミはわずか8個体だけ、殻の膨らみが弱いことと、殻皮が縁から延び出ている特徴が見られました。しかし、集団遺伝情報を得るためには数が足りません。
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今日のあさぎり町 平成23年7月22日(金) 『タウリン』:
地元で流れが悪いから消防ポンプで流してほしいと言われていた水路を、ポンプ点検をかねて掃除をしました。 溜まった土砂をスコップで上げると、土砂の中にシジミが。 もともと山水の流れるきれいな水路なのですが、用心して水の中へ返してやりました。
http://www.asagiri-town.net/q/aview/157/2683.html

掃除された水路に行っても仕方がないので、現地の水路情報を調べたら、「百太郎溝」という潅漑用の水路が球磨川から引かれていて、その取水の樋門が多良木町にあり、そこからあさぎり町に水路が通っていることがわかりました。百太郎は工事の人柱にされた人の名前だそうです。
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下が取水する樋門で上があさぎり町方向に向かう水路ですが、水流が早いので驚かされました。
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球磨川は急流で有名ですが、多良木町あたりでは川幅が比較的狭いのは上流の市房ダムで水が堰き止められているからでしょう。
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この水路をたどってあさぎり町方面に向かいましたが、途中でシジミがいそうな場所に遭遇しました。

多良木町の水田地帯の一角で道路脇の水路がT字になってポケット部分があり、その下流側がせきとめられていたので砂泥が堆積していました。砂をさらったら中から稚貝を含んで200個体くらい採集できました。
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付近の百太郎溝や球磨川の支流では、シジミが生息していたとしても接近して手が出せない状況であり、田んぼの周辺の水路は見事に管理されて土砂が堆積していないため、シジミはいません。

下はあさぎり町を流れている百太郎溝です。所々に水路に降りる階段がありましたが、水が滔々と流れていて、コンクリート底が剥き出しでした。水路の所々にカモが遊んでいました。
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戦果は乏しいのですが、熊本県から最初のマシジミ集団のサンプルが採取できました。

球磨川の次は緑川水系を狙います。
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by beachmollusc | 2011-11-18 10:04 | シジミの仲間 Corbicula

大河内の崩壊斜面を再訪

良い天気が続いているので人吉城の水路シジミをゲットする気になって、気まぐれで出撃しました。

熊本県のシジミ事情を調べていて、熊本県のホームページに人吉城の城壁の下の水路にシジミが見られるということです。(人吉城跡のマシジミ)
http://www.pref.kumamoto.jp/site/arinomama/masijimi.html
強行軍で上のURLの写真に出ている現場に行ってきました。確かにマシジミがいましたが、砂ではなく泥が堆積していてほとんどが死殻でした。生きているものはごくわずかで集団遺伝解析用サンプルとなりません。

しかし、いつものことですが、転んでもただでは起きないように、球磨川水系のシジミをちゃんと上流で採集してきました。そのレポートは後ですることにして、大河内越えの酷道388号線で紅葉を見ながら以前レポートした大斜面崩壊のその後を写真撮影しました。この斜面崩壊を予知したフンちゃんこと応用地質学の岩松先生の文章も一緒にどうぞ。

地すべりと林業 2009年9月22日
http://beachmollu.exblog.jp/11189897/

老眼やぶにらみ地すべり学―次世代に期待する― 
岩松 暉(斜面防災対策技術協会地すべり防止工事士技術講習会)
http://www.geocities.jp/f_iwamatsu/retire/hyperopia.html

南郷区からのぼって、椎葉村の大河内に下る峠道は標高が約1000mあって、険しく曲がりくねった坂道です。冬に通ることは全く想定していない経路の一つです。

今の時期は紅葉が楽しめるとの予想どおりで、九州大学の演習林周辺で残された自然林がかなり美しく見えました。小鹿が1頭国道に飛び出てきたのも、この付近ならではでしたが、写真は撮れず。

下は荒河内の滝(国道からやっと見える)と道路の反対側を流れる一ツ瀬川の源流の渓谷の紅葉です。
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美しい景色を楽しんだすぐ後に見えるのが大崩壊斜面とその場所に建設された超巨大砂防堰堤です。
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この場所のすぐ上には埋没した堰堤の上端が見えました。
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何しろ大規模に斜面が崩れているので、建設した堰堤は次の大雨であっと言う間に埋没でしょう。砂防堰堤は埋没することで機能するような意味のわからないことが砂防関係のサイトで説明されています。

2段構えのマンモス堰堤の上はほぼ埋設が終わっていましたが、その下流でなにやら工事中です。
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宮崎県の山間部では災害復旧や砂防工事が基幹産業になっていることがよくわかります。

さらに下流には大河内小学校の校舎が対岸に見えますが、その校庭でも工事中のようでした。
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校庭の下の川岸のモミジが美しく紅葉していました。
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by beachmollusc | 2011-11-17 20:38 | 河川・水路・堰

GIビーチと自宅にアサギマダラ出現

明日から見学者グループが来訪の予定なので配布する資料つくりを先週からずっとやっています。ホシサポーの里について説明する10頁の文書が昨夜完成し、とりあえず20部カラー写真入りで印刷しました。

たちまちインク・カートリッジが空になり、予備と交換し、またプリント用紙が次のグループ用に不足するので、量販電気店に出かけました。

10時半開店の店なので、その前にGIビーチへ出かけてワンワンを走らせ、トンビどもにパンのかけらを投げて空中キャッチさせてきました。トンビと呼吸が合ってナイスキャッチ、見事なものです。トンビは飛びながら足で捕まえたパンを口の前にまげてむしゃむしゃ食べていました。

GIビーチの駐車場に着いた途端ですが、目の前をヒラヒラ飛んでいるアサギマダラと遭遇し、あわててカメラを向けました。アサガオに止まったところをワンショットだけ撮影できて、その直後上空に舞い上がって消えました。
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買い物が済んで、家に戻り、車を止めた途端、また目の前でヒラヒラとアサギマダラが1頭飛んでいました。まさかGIビーチから先回りして飛んできたとも思えませんが、偶然にしてはでき過ぎです。

残念ながら、マツムシソウの花が終わっていて、密を吸う花が周囲になかったせいか、写真を撮らせてくれずに上空に飛び去りました。

来年春はハンダマの花に来てくれることを願っています。
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by beachmollusc | 2011-11-15 14:22 | アサギマダラ